問題 23★★☆

自社の社長が製品の欠陥を認めて謝罪する動画がSNSで拡散している。社長本人と関係部署に 確かめたところそのような発言の事実はなく、AIで合成された偽の動画とみられる。 担当者の対応として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア検出ツールで合成だと完全に証明できるまで、公表を控えて検証を続ける。

    誤り。合成かどうかを技術的に完全に証明するのは難しく、待つ間に偽の動画は 広がり続けます。発言の事実がないことは本人と関係部署への確認で分かっているので、 その事実に基づいて早く打ち消すことが先です。

  2. イ偽物だと示すため、動画をそのまま自社サイトに掲載して解説を加える。

    誤り。自社の公式の場に偽の動画を載せると、かえって見る人を増やし、 解説を外した部分だけが切り取られて再び拡散されるおそれがあります。 打ち消しに要るのは、動画そのものではなく「事実ではない」という公式の表明です。

  3. ウ社員に個人のアカウントで反論させ、投稿者にも直接抗議させる。

    誤り。個人のアカウントでの反論は会社の公式な見解として伝わりにくく、 言い争いがさらに注目を集めることもあります。投稿者への対応は、 会社として窓口を決め、削除の申出や法的措置の検討として行います。

  4. エ公式サイト等の正規の経路で事実でないと公表し、投稿先に削除を申し出る。

    正解。打ち消しの情報は、受け手が本物と確かめられる公式の経路から出すことで効きます。 あわせて投稿先のプラットフォームに削除を申し出て、拡散の元を減らします。

理解を深めるために

偽物には、本物の窓口から打ち消す

自分の名前で偽の手紙が出回ったら、手紙の真偽を鑑定に出して結果を待つより先に、 「その手紙は私が出したものではない」と、相手が本物だと分かる方法で伝えるはずです。 ディープフェイク(AIで合成した本物そっくりの偽の映像・音声)で組織の信用が狙われたときも、 考え方は同じです。

なぜ公式の経路で公表し、削除を申し出るのか

ディープフェイクは、送金をだまし取る詐欺だけでなく、経営者や組織の評判を傷つける偽情報としても使われます。 組織が狙われたときの対応は、次の順で考えます。

  • 事実の確認: 本人と関係部署に、発言や出来事の事実があったかを確かめる
  • 公式の表明: 公式サイトや公式アカウントなど、受け手が本物と確かめられる経路で「事実ではない」と示す
  • 拡散の抑制: 投稿先のプラットフォームに削除を申し出る。大規模なプラットフォーム事業者には、 情報流通プラットフォーム対処法で削除の申出への対応の迅速化が求められている
  • 組織としての対応: 窓口を一本化し、必要に応じて法的措置を検討する

技術的な鑑定は補強の材料にはなりますが、完全な証明を待って公表を遅らせる理由にはなりません。

混同しやすいものとの違い

対応 結果
公式の経路で事実でないと公表し削除を申し出る 受け手が確かめられる形で打ち消し、拡散の元を減らす
完全に証明できるまで公表を控える 待つ間に拡散が進む
動画を自社サイトに掲載して解説 偽の動画を見る人を増やし、切り取りを招く
社員の個人アカウントで反論・抗議 公式の見解として伝わらず、注目を集めることもある

試験では、打ち消しの情報を「誰が、どの経路で」出すかに着目すると選べます。 ディープフェイクへの対応では、本物だと確かめられる経路を使うことが軸になります。

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