正解:エ
各選択肢の解説
ア学習に使わせない設定を各自の個人アカウントで有効にさせ、今の使い方を続けさせる。
誤り。オプトアウトの設定は学習への利用を断るだけで、顧客情報が社外のサービスに 渡ることは変わりません。個人アカウントでは会社が設定や利用履歴を確かめられず、 会社が認めていない利用という状態も解消されません。
イ要約の結果を必ず人が読み直して誤りを直すことを条件に、今の使い方を認める。
誤り。出力を人が確認するのは、ハルシネーションなど出力側のリスクへの対策です。 問題は顧客情報を入力した時点で社外に渡っている入力側のリスクで、 出力をいくら確認しても防げません。
ウ生成AIの利用禁止を部員に通知し、要約作業の負担については特に手当てをしない。
誤り。止めること自体は必要ですが、要約したいという業務上の必要は残ります。 代わりの手段がないまま禁止だけを伝えると、見えないところで使い続けられ、 かえって実態をつかめなくなります。
エ顧客情報の入力をすぐにやめさせ、承認済みのサービスと入力ルールを情報システム部門と整える。
正解。まず入力側のリスクを止めたうえで、会社が管理できるサービスと 「何を入力してよいか」のルールを用意すれば、業務の必要を満たしながら シャドーAIの状態を解消できます。
理解を深めるために
止めるだけでなく、正規の道を用意する
社員が会社の許可なく便利なAIサービスを業務に使う状態をシャドーAIと呼びます。 多くは悪意ではなく「早く仕事を片づけたい」という動機から生まれます。 立ち入り禁止の札だけ立てても近道を通る人が絶えないのと同じで、 危ない使い方を止めることと、安全に使える正規の手段を用意することを組み合わせて対応します。
なぜそう対応するのか
この場面のリスクは2つ重なっています。
- 入力側のリスク: 顧客の商談記録という機密情報・個人情報が、会社と契約のない 社外のサービスに渡っている
- 管理の欠落: 個人アカウントなので、会社は設定も利用履歴も確認できない
入力を止めるのは、これ以上情報が出ていくのを防ぐためで、最初に行います。 そのうえで、要約したいという業務の必要は残るので、会社が契約し管理できるサービスと、 入力してよい情報の範囲を定めたルールを情報システム部門と整えます。 これで、使ってよい手段とその条件が明確になり、利用の実態も把握できるようになります。
混同しやすいものとの違い
| 対応 | 何に効くか |
|---|---|
| 入力を止め、承認済みサービスとルールを整える | 入力側のリスクと管理の欠落の両方 |
| 個人アカウントでオプトアウト | 学習への利用だけ。社外への提供と管理の欠落は残る |
| 出力を人が確認(HITL) | 出力側の誤り。入力時の流出には効かない |
| 禁止の通知だけ | 一時的に止まるが、必要が残り隠れた利用を招く |
試験では、リスクが入力・出力のどちらで起きているかと、会社が管理できる状態に戻せるかの 2点で選択肢を比べると選べます。