問題 24★★★

B社のBCPでは、受注システムがランサムウェアで停止したら、バックアップから代替サーバに復元し、 4時間以内に受注業務を再開すると定めている。この目標を本当に達成できるかを 確かめる訓練として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア関係者が会議室に集まり、BCPの手順書を読み合わせながら、各自の役割と判断の流れを確認する。

    誤り。これは机上訓練です。役割の分担や判断の流れの抜けを見つけるには有効ですが、 実際の作業をしないので、復元に何時間かかるかは分かりません。 「手順を理解しているか」と「時間内にできるか」は別の確かめ方が要ります。

  2. イ実際にバックアップから代替サーバへ復元し、受注業務を再開できるまでの所要時間を計測する。

    正解。目標が「4時間以内の再開」なので、実際に復元から業務再開までを行い、 かかった時間を測る必要があります。データ量や手順の詰まりは、手を動かして初めて分かります。

  3. ウ安否確認システムから全従業員へ一斉にメッセージを送り、返信までの時間と応答率を集計する。

    誤り。これは連絡手段の訓練です。被災時に人と連絡が取れるかの確認には役立ちますが、 確かめられるのは連絡の部分だけで、受注システムを4時間以内に戻せるかは分かりません。

  4. エバックアップの取得ログを点検し、毎日のバックアップが失敗なく完了していることを確認する。

    誤り。取得の成功は確認できますが、そのバックアップから実際に戻せるか、 戻すのに何時間かかるかは分かりません。取得できていることと、 復元して業務を再開できることは別の確認です。

理解を深めるために

「4時間で戻せる」は、戻してみないと分からない

BCPに「4時間以内に再開」と書いてあっても、それは目標であって実績ではありません。 本当に達成できるかは、実際にバックアップから復元し、業務を再開するまでの時間を測ることで 初めて分かります。計画を作った後に訓練で確かめ、足りなければ計画を直すのは、 事業継続マネジメント(BCM)の中心にある活動です。

なぜ実際に手を動かすのか

紙の上では見えない問題が、復元の作業で表に出ます。

  • データ量が増えていて、復元に想定の倍の時間がかかる
  • 代替サーバの設定手順が古く、途中で止まる
  • 復元の作業に必要な管理者の権限やパスワードの所在が分からない

ランサムウェアの場合、バックアップ自体が暗号化されていないかを確かめる作業も加わります。 こうした詰まりを平常時に見つけておくことが、訓練の目的です。

混同しやすいものとの違い

訓練・確認 確かめられること 確かめられないこと
復元から業務再開まで実施し時間を計測 目標時間内に再開できるか ―
机上訓練(読み合わせ) 役割と判断の流れ 実際の所要時間
安否確認の一斉送信 従業員と連絡が取れるか システムを戻せるか
バックアップ取得ログの点検 取得が成功しているか 戻せるか、何時間かかるか

机上訓練が悪いわけではなく、確かめたいことで選び分けます。問題文に「目標時間」 「本当に達成できるか」とあれば、実際に作業して時間を測る訓練を選びます。

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