正解:ウ
各選択肢の解説
アサイバー攻撃を受けた後に、被害の拡大を防いでシステムを復旧させるために行う対処の活動
誤り。これはインシデント対応の説明です。攻撃への対処は確かにサイバーセキュリティの一部なので 選びたくなりますが、法律の定義は事後の活動に限りません。被害を防ぐ措置が講じられ、 その状態が維持されていることまで含めて定めています。
イ紙の文書を含む組織のすべての情報資産について、漏えいや紛失を防ぐための管理の仕組み
誤り。対象の範囲が広すぎます。基本法の定義が対象にするのは、電子的・磁気的な方式など、 人が直接は認識できない方式で記録・送受信される情報と、情報システム・ネットワークです。 紙の文書まで含めて管理するのは、組織の情報セキュリティマネジメントの考え方です。
ウ電子的に扱う情報の保護やシステムの安全確保の措置が講じられ、その状態が適切に維持管理されていること
正解。基本法は、情報の漏えい・滅失・毀損の防止やシステム・ネットワークの安全性・信頼性の 確保の措置が講じられ、「その状態が適切に維持管理されていること」をサイバーセキュリティと定めています。
エ国の機関が、重大なサイバー攻撃に使われるサーバにアクセスし、無害化するために行う措置
誤り。これはサイバー対処能力強化法(能動的サイバー防御)の仕組みの一つです。 「サイバー」と付く国の施策なので混同しやすいのですが、特定の場面で国が行う権限であって、 基本法が定める「サイバーセキュリティ」という言葉の意味ではありません。
理解を深めるために
「対策をした」ではなく「安全な状態が続いている」こと
建物の防犯で言えば、鍵を付けた瞬間ではなく、鍵がかかった状態が毎日きちんと保たれていることが 「安全」です。サイバーセキュリティ基本法の定義も同じ発想で、措置を講じたうえで、その状態が 適切に維持管理されていることをサイバーセキュリティと呼んでいます。
定義の中身
同法第2条の定義を分解すると、次の要素からできています。
- 対象: 電子的・磁気的な方式など、人が直接は認識できない方式で記録・送受信される情報と、 情報システム・情報通信ネットワーク
- 措置: 情報の漏えい・滅失・毀損の防止などの安全管理と、システム・ネットワークの安全性・信頼性の確保 (ネットワークや記録媒体を通じた不正な活動による被害の防止を含む)
- 状態: それらの措置が講じられ、その状態が適切に維持管理されていること
一度対策を入れて終わりではなく、維持管理まで含むという点が、運用を担う担当者にとっての要点です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 中心にあるもの |
|---|---|
| サイバーセキュリティ(基本法の定義) | 電子的な情報とシステムを守る措置が講じられ、その状態が維持管理されていること |
| インシデント対応 | 攻撃を受けた後の被害拡大の防止と復旧の活動 |
| 情報セキュリティマネジメント | 紙を含む組織の情報資産全体を管理する仕組み |
| アクセス・無害化措置 | サイバー対処能力強化法に基づき、国の機関が攻撃に使われるサーバに対して行う措置 |
定義を問われたら、「電子的な情報とシステムが対象」「措置そのものではなく状態」の2点で絞り込めます。