問題 5★★☆

自社のセキュリティ方針を見直すにあたり、国の方向性を確認するため、サイバーセキュリティ基本法に 基づく「サイバーセキュリティ戦略」を読むことにした。この戦略の説明として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア政府が、サイバーセキュリティに関する施策の基本的な計画として定め、閣議の決定を経るもの

    正解。基本法は、政府にサイバーセキュリティに関する基本的な計画を定めることを求め、 これをサイバーセキュリティ戦略と呼んでいます。案は閣議の決定を経て定められます。

  2. イ国の行政機関などが守るべきセキュリティ対策の基準として、統一的に定められているもの

    誤り。これは政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準の説明です。 国が定める文書という点で似ていますが、統一基準は行政機関などが実施すべき対策の基準であり、 国全体の施策の方向を示す基本計画である戦略とは役割が違います。

  3. ウ毎年度、前年度の施策の実施状況と当年度の取組を取りまとめて公表しているもの

    誤り。これは年次報告・年次計画(「サイバーセキュリティ2026」のような年度ごとの文書)の説明です。 戦略に沿って毎年まとめられるので混同しやすいのですが、戦略は数年単位の基本計画で、 毎年作り直すものではありません。

  4. エ経営者が取り組むべき重要事項を、経済産業省とIPAが企業向けに示しているもの

    誤り。これはサイバーセキュリティ経営ガイドラインの説明です。自社の方針づくりに直接使える文書なので 連想しやすいのですが、法律に基づいて政府が定める計画ではなく、企業向けの指針です。

理解を深めるために

国全体の「中期の基本計画」

会社でいえば、毎年の事業計画の上にある中期経営計画にあたるのがサイバーセキュリティ戦略です。 サイバーセキュリティ基本法は、政府にサイバーセキュリティに関する施策の基本的な計画を定めることを求めており、 この計画をサイバーセキュリティ戦略と呼んでいます。

どのように定められるか

  • 根拠: サイバーセキュリティ基本法(政府が定めなければならない計画)
  • 案の作成: 内閣に置かれるサイバーセキュリティ戦略本部が案を作る
  • 決定: 内閣総理大臣が案について閣議の決定を求める
  • 見直し: 情勢の変化に合わせて改められ、最新の戦略は2025年12月に閣議決定された

戦略は国の方向性を示す文書で、個々の企業に具体的な対策を義務付けるものではありません。 企業の担当者にとっては、国がどの脅威を重く見ているかを知り、自社の方針に反映するための材料になります。

混同しやすいものとの違い

文書 中心にあるもの
サイバーセキュリティ戦略 基本法に基づく政府の基本計画。閣議決定
統一基準 国の行政機関などが守るべき対策の基準
年次報告・年次計画 毎年度の実施状況と当年度の取組
サイバーセキュリティ経営ガイドライン 経済産業省とIPAが示す、経営者向けの指針

「基本法に基づく」「政府の基本計画」「閣議決定」がそろえば戦略、と押さえておくと区別できます。

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