問題 14★★☆

部門のファイルサーバを担当者3人で運用している。3人は1つの管理者アカウントを共有し、 日常のファイル整理もそのアカウントで行っている。特権的アクセス権の管理として 見直す内容で、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア共有の管理者アカウントのパスワードを長く複雑にし、3か月ごとに変更して3人に伝える。

    誤り。認証情報を強くする対策で、推測されにくくはなります。しかし共有のままなので、 どの操作を誰がしたのかは分かりません。日常の作業まで管理者権限で行う状態も 変わらず、誤操作や感染したときの影響の大きさは残ります。

  2. イ共有の管理者アカウントのまま、サーバの操作ログを取得して定期的に確認する。

    誤り。ログ取得は別の技術的管理策で、記録を残すこと自体は役に立ちます。 ただしアカウントを共有していると、ログには同じアカウント名しか残らず、 3人のうち誰の操作かを特定できません。特権の使い方の問題も残ります。

  3. ウ3人に個人の管理者アカウントを用意し、日常の作業もそのアカウントで行う。

    誤り。個人ごとに分けたので、誰の操作かは追えるようになります。しかし日常の作業まで 管理者権限で行う点は変わりません。権限が強いほど、誤操作やマルウェア感染の影響が 広がります。特権は必要な作業のときだけ使うのが原則です。

  4. エ管理者権限は個人ごとのアカウントに付与し、日常の作業は一般権限で行い、必要な作業のときだけ使う。

    正解。特権を個人に結び付けて誰の操作かを追えるようにし、使う場面も必要な作業に 限ります。「誰が」と「いつ使うか」の両方を絞るのが特権的アクセス権の管理です。

理解を深めるために

マスターキーは「誰に」「いつ」の両方を絞る

ビルのマスターキーを、管理担当の3人が1本を回し持ちし、ふだんの掃除のときまで 持ち歩いている状態を想像してください。鍵が悪用されても誰が持っていたか分からず、 落とせばどの部屋にも入られます。管理者権限(特権)も同じで、 持つ人を個人に結び付け、使う場面を必要な作業に限るのが特権的アクセス権の管理です。

なぜ両方を直す必要があるのか

この場面の弱点は2つあります。

  • 共有している: 操作の記録に同じアカウント名しか残らず、誰が何をしたか追えない
  • 常に使っている: ファイル整理のような作業まで管理者権限で行うので、誤操作やマルウェア感染が起きたとき、サーバ全体に影響が及ぶ

選択肢のうち、パスワードの強化とログの取得は、どちらの弱点も直していません。 個人アカウント化は1つ目だけを直したものです。日常は一般権限で作業し、管理者権限は 必要なときだけ使う形にして、はじめて2つとも解消します。

混同しやすいものとの違い

対策 直せること 残る問題
個人ごとの特権+必要時だけ使用 誰の操作かを追える・影響を限る (両方を解消)
パスワードの強化(認証情報) 推測されにくくなる 共有・常用のまま
共有のままログ取得 記録が残る 誰の操作か特定できない
個人の管理者アカウントで常用 誰の操作かを追える 常に強い権限で作業する

「アクセス権」(誰に何を許すかを決める組織的管理策)と違い、特権的アクセス権は 強い権限そのものの割り当てと使い方を技術的に絞る管理策です。共有と常用の どちらが残っているかで選択肢を見分けてください。

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