正解:エ
各選択肢の解説
ア共有の管理者アカウントのパスワードを長く複雑にし、3か月ごとに変更して3人に伝える。
誤り。認証情報を強くする対策で、推測されにくくはなります。しかし共有のままなので、 どの操作を誰がしたのかは分かりません。日常の作業まで管理者権限で行う状態も 変わらず、誤操作や感染したときの影響の大きさは残ります。
イ共有の管理者アカウントのまま、サーバの操作ログを取得して定期的に確認する。
誤り。ログ取得は別の技術的管理策で、記録を残すこと自体は役に立ちます。 ただしアカウントを共有していると、ログには同じアカウント名しか残らず、 3人のうち誰の操作かを特定できません。特権の使い方の問題も残ります。
ウ3人に個人の管理者アカウントを用意し、日常の作業もそのアカウントで行う。
誤り。個人ごとに分けたので、誰の操作かは追えるようになります。しかし日常の作業まで 管理者権限で行う点は変わりません。権限が強いほど、誤操作やマルウェア感染の影響が 広がります。特権は必要な作業のときだけ使うのが原則です。
エ管理者権限は個人ごとのアカウントに付与し、日常の作業は一般権限で行い、必要な作業のときだけ使う。
正解。特権を個人に結び付けて誰の操作かを追えるようにし、使う場面も必要な作業に 限ります。「誰が」と「いつ使うか」の両方を絞るのが特権的アクセス権の管理です。
理解を深めるために
マスターキーは「誰に」「いつ」の両方を絞る
ビルのマスターキーを、管理担当の3人が1本を回し持ちし、ふだんの掃除のときまで 持ち歩いている状態を想像してください。鍵が悪用されても誰が持っていたか分からず、 落とせばどの部屋にも入られます。管理者権限(特権)も同じで、 持つ人を個人に結び付け、使う場面を必要な作業に限るのが特権的アクセス権の管理です。
なぜ両方を直す必要があるのか
この場面の弱点は2つあります。
- 共有している: 操作の記録に同じアカウント名しか残らず、誰が何をしたか追えない
- 常に使っている: ファイル整理のような作業まで管理者権限で行うので、誤操作やマルウェア感染が起きたとき、サーバ全体に影響が及ぶ
選択肢のうち、パスワードの強化とログの取得は、どちらの弱点も直していません。 個人アカウント化は1つ目だけを直したものです。日常は一般権限で作業し、管理者権限は 必要なときだけ使う形にして、はじめて2つとも解消します。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 直せること | 残る問題 |
|---|---|---|
| 個人ごとの特権+必要時だけ使用 | 誰の操作かを追える・影響を限る | (両方を解消) |
| パスワードの強化(認証情報) | 推測されにくくなる | 共有・常用のまま |
| 共有のままログ取得 | 記録が残る | 誰の操作か特定できない |
| 個人の管理者アカウントで常用 | 誰の操作かを追える | 常に強い権限で作業する |
「アクセス権」(誰に何を許すかを決める組織的管理策)と違い、特権的アクセス権は 強い権限そのものの割り当てと使い方を技術的に絞る管理策です。共有と常用の どちらが残っているかで選択肢を見分けてください。