正解:エ
各選択肢の解説
ア認証を取得した事業者なので、仮想サーバのOSへの修正プログラムの適用も事業者に任せてよい。
誤り。IaaSで事業者が管理するのは、データセンターや物理サーバ、仮想化基盤までです。 仮想サーバのOSは利用者が自分で入れて使う部分なので、修正プログラムの適用も利用者が 行います。事業者の認証は事業者の管理範囲についてのもので、利用者の範囲には及びません。
イサイトのプログラムは自社で管理し、OSとミドルウェアの修正プログラムは事業者に任せる。
誤り。これはPaaSの分担です。PaaSなら事業者がOSやミドルウェアまで管理し、利用者は その上のアプリケーションとデータを受け持ちます。IaaSは事業者の範囲がもっと狭く、 OSとミドルウェアも利用者が管理します。どのサービスモデルかで境界が動く点に注意します。
ウ事業者のデータセンターの入退室管理も、自社の担当者が定期的に立ち入って点検する。
誤り。データセンターの物理的な管理は事業者の責任範囲で、利用者が立ち入って点検するのは 一般的ではありません。事業者側の管理は、認証や第三者による監査の報告書などで確かめます。 自社が力を割くべきなのは、自社の責任範囲のほうです。
エOSより上の修正プログラムの適用やアクセス権の設定は自社が担うので、体制と手順を決める。
正解。クラウドサービスの責任共有モデルでは、IaaSの利用者はOS・ミドルウェア・ アプリケーション・データ・アクセス権を受け持ちます。事業者の認証は自社の範囲を 肩代わりしないので、自社側の運用を決めておく必要があります。
理解を深めるために
借りた部屋の鍵は、借りた人が掛ける
IaaSは、建物と部屋(データセンター、物理サーバ、仮想化基盤)を事業者が用意し、 部屋の中(OS、ミドルウェア、アプリケーション、データ)は借りた人が整える形のサービスです。 建物の警備がしっかりしていても、部屋の鍵を掛けるのは借りた人です。 事業者がISMS認証を取得していることは建物側の管理が確かだという根拠にはなりますが、 部屋の中の管理を代わりにしてくれるわけではありません。
責任共有モデルの考え方
クラウドサービスでは、セキュリティの責任を事業者と利用者で分け合います。これを 責任共有モデルと呼びます。境界はサービスモデルによって動きます。
- IaaS: 事業者は仮想化基盤まで。OSから上は利用者
- PaaS: 事業者はOS・ミドルウェアまで。アプリケーションとデータは利用者
- SaaS: 事業者はアプリケーションまで。データと利用者アカウント・アクセス権の設定は利用者
どのモデルでも、データとアクセス権の設定は利用者に残ることが共通しています。 クラウドの利用申請を受けた担当者は、まずどのモデルかを確かめ、自社が受け持つ範囲の 運用(修正プログラムの適用、アクセス権の管理、ログの確認など)を誰がどう行うかを決めます。
混同しやすいものとの違い
| 考え方・選択肢 | 何が違うか |
|---|---|
| IaaSの利用者がOSから上を担う | 責任共有モデルどおりの分担 |
| 認証があればOSも事業者 | 認証は事業者の管理範囲の話で、利用者の範囲を代わりに守らない |
| OS・ミドルウェアは事業者 | PaaSの分担。IaaSでは利用者 |
| データセンターに自ら立ち入って点検 | 物理的な管理は事業者の範囲。報告書などで確かめる |
「どのサービスモデルか」と「事業者の認証が何を保証しているか」の2点を押さえると、 任せすぎにも抱え込みすぎにもならない助言が選べます。