正解:ア
各選択肢の解説
ア端末の状態が変わったので、その端末からのアクセスを止め、安全を確かめるまで許可しない。
正解。ゼロトラストでは、ログイン時に一度許可しても、利用者や端末の状態を見続けて判断し直します。 端末が危険な状態になったら、その時点で許可を見直します。
イ多要素認証で本人と確認済みなので、セッションが終わるまでアクセスを続けさせる。
誤り。多要素認証で確かめたのは「本人であること」で、端末が安全なことではありません。 ゼロトラスト=認証を強くすること、と捉えると陥る誤解です。本人が正しくても、感染した端末は 攻撃者に操作されているおそれがあります。
ウ社内LANから接続している端末であれば、社内なので引き続きアクセスを許可する。
誤り。接続元が社内かどうかを信頼の根拠にするのは境界型防御の考え方で、ゼロトラストは まさにこれを否定します。社内にある端末でも感染すれば、そこから攻撃が広がります。
エ本人に注意喚起のメールを送り、アクセスの扱いは次回のログイン時に判断する。
誤り。判断をログイン時だけに置くと、ログイン後に起きた変化を次のログインまで見逃します。 ゼロトラストの判断は入口の1回で終わらず、アクセスのたびに、そのときの状態で行います。 注意喚起だけでは感染端末からのアクセスは止まりません。
理解を深めるために
ゼロトラストは「一度入れたら信頼する」をやめること
ゼロトラストは、社内だから、一度ログインしたから、という理由で信頼しない考え方です。 入館証を見せれば一日中どこへでも入れるビルではなく、部屋に入るたびに、そのときの状態を確かめる ビルにたとえられます。入館後に体調を崩した人を、入館時の確認だけで通し続けることはしません。
判断の材料は「本人」だけでなく「端末の状態」
米国国立標準技術研究所(NIST)がまとめたゼロトラストの考え方では、資源へのアクセスは セッションごとに許可し、利用者の識別情報に加えて、端末の状態などを使って動的に判断します。 許可した後も監視を続け、状態が変われば判断し直します。
- 本人の確認: 多要素認証などで、なりすましでないことを確かめる
- 端末の確認: 修正プログラムの適用状況やマルウェアの検知状況を確かめる
- 継続的な評価: ログイン後も状態を見て、危険になれば許可を取り消す
今回は本人の確認は通っていますが、端末の確認が崩れました。ログインの成功は、その後も 安全であることの保証にならないので、その端末からのアクセスを止めます。
混同しやすいものとの違い
| 扱い | 何を根拠にしているか |
|---|---|
| 状態の変化で許可を見直す | アクセスのたびのその時点の本人と端末の状態(ゼロトラスト) |
| 認証済みなので続けさせる | ログイン時の本人確認だけ |
| 社内からなら許可を続ける | 接続元の場所(境界型防御) |
| 次回ログイン時に判断する | ログインの1回だけ |
ゼロトラストの問題では、「判断がいつ行われるか」と「何を根拠にしているか」の2点で選択肢を見ます。