問題 7★★☆

自社の情報システムには被害がなかったが、主要な部品を納めている取引先がランサムウェアに 感染して操業を停止し、自社も製品の出荷を止めることになった。この事態をもたらした リスクの種類として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アサプライチェーンリスク

    正解。調達から製造・配送までのつながりのどこかで起きた事故が、自社の事業にも 波及するリスクです。自社のシステムが無事でも、取引先が止まれば自社も止まる点が このリスクの特徴です。

  2. イ外部サービス利用のリスク

    誤り。クラウドサービスなど、自社が業務で使うITサービスの停止や情報漏えい、 事業者の撤退などで影響を受けるリスクです。外部に頼る点は似ていますが、今回止まったのは 自社が使うサービスではなく、部品を納める取引先の操業です。

  3. ウ地政学的リスク

    誤り。国家間の対立や紛争、制裁など、国際情勢の変化によって事業が影響を受ける リスクです。部品の調達が止まる点は似ていますが、今回の原因は特定の取引先が受けた ランサムウェア被害で、国際情勢の変化ではありません。

  4. エSNSによる情報発信のリスク

    誤り。従業員や公式アカウントの投稿による情報漏えいや炎上で、信用や業務が損なわれる リスクです。発信の内容が原因になるもので、今回のように取引先の事故で出荷が止まる 事態とは、原因も影響の経路も異なります。

理解を深めるために

自社が無事でも、つながりの先が止まれば自社も止まる

製品は、部品の調達、製造、配送といった多くの会社のつながり(サプライチェーン)の上で 作られています。そのどこか1社がサイバー攻撃で止まると、自社のシステムが無傷でも 事業が止まることがあります。これがサプライチェーンリスクです。

なぜリスクの種類を分けて考えるのか

リスクを洗い出すときに、自社の情報資産だけを見ていると、取引先の事故のように 「自社の外で起きて自社に及ぶもの」を見落とします。種類ごとに考えると、 それぞれに合った備えが見えてきます。

  • サプライチェーンリスク: 取引先の対策状況の確認、契約でのセキュリティ要件、代替調達先の確保
  • 外部サービス利用のリスク: サービスの選定基準、障害時の代替手段、データの持ち出し方法の確認
  • 地政学的リスク: 調達先や拠点の国・地域の分散、情勢の監視
  • SNSによる情報発信のリスク: 投稿のルール(ソーシャルメディアガイドライン)、教育

混同しやすいものとの違い

リスクの種類 何が原因で影響が出るか
サプライチェーンリスク 取引先など、事業のつながりの中の他社で起きた事故
外部サービス利用のリスク 自社が使うクラウドなどのITサービスの停止・漏えい
地政学的リスク 国家間の対立や紛争など国際情勢の変化
SNSによる情報発信のリスク 従業員や公式アカウントの投稿

どれも「外から来るリスク」に見えますが、原因がどこで起きたかを読めば区別できます。

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