問題 31★★☆

部門のリスク特定で「外部の攻撃者が標的型メールを送り、顧客情報が外部に送信されて、 損害賠償と信用の低下を招く」というリスクを書き出し、発生可能性を「中」と見積もった。 この記述のうち、リスク源に当たるものとして最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア顧客情報が外部に送信されること。

    誤り。これはリスク源が働いた結果として起こる事象です。 どちらも「悪いこと」として書かれるので混同しやすいですが、 事象は「何が起きるか」、リスク源は「それを引き起こすもとは何か」です。

  2. イ損害賠償と信用の低下を招くこと。

    誤り。これは事象が起きたあとに組織が受ける結果(影響)です。 リスクの大きさを見積もるときに「影響」の段階として使う部分で、 リスクの出どころを示すリスク源とは、因果の反対の端にあります。

  3. ウ発生可能性を「中」と見積もったこと。

    誤り。これはリスク分析で見積もった起こりやすさです。 リスクを構成する要素そのものではなく、リスクの大きさを測った値です。 リスク源を特定したあとに、起こりやすさと影響を見積もる順になります。

  4. エ標的型メールを送ってくる外部の攻撃者。

    正解。リスク源は、それ自体または他との組合せでリスクを生じさせる力を持つ要素です。 この記述では、事象のもとになっている外部の攻撃者がそれに当たります。

理解を深めるために

リスク源は「もと」、事象は「起きること」、結果は「受ける害」

火事にたとえると、コンロの火の不始末がもとで(リスク源)、台所が燃え(事象)、 家財が焼けて住めなくなる(結果)、という流れです。リスクを書き出すときは、 この因果の鎖を分けて捉えると、どこに手を打てばよいかが見えてきます。

リスク特定で何を洗い出すのか

リスクアセスメントの最初の段階であるリスク特定では、次のような要素を書き出します。

  • リスク源: それ自体または他との組合せでリスクを生じさせる力を持つ要素(攻撃者、自然災害、操作ミスをしうる人など)
  • 事象: 実際に起こること(情報の外部への送信、システムの停止など)
  • 結果: 事象によって組織が受ける影響(損害賠償、信用の低下など)

次のリスク分析で、事象の起こりやすさと結果の大きさを見積もり、リスクレベルを決めます。 リスク源を押さえておくと、「攻撃者からのメールを入口で止める」のように、 もとに近いところで効く対策を考えやすくなります。

混同しやすいものとの違い

記述の部分 何に当たるか
外部の攻撃者 リスク源(リスクを生じさせるもと)
顧客情報の外部への送信 事象(起きること)
損害賠償と信用の低下 結果(組織が受ける影響)
発生可能性「中」 リスク分析で見積もった起こりやすさ

リスクの記述を因果の順に並べ、いちばん「もと」にあるものを探すと、リスク源を見分けられます。

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