問題 33★★★

各部門が独自にリスクアセスメントを行った。発生可能性と影響を、ある部門は3段階、 別の部門は5段階で見積もり、「影響:大」の意味も部門ごとに違ったため、全社で 対応の優先順位を付けられなかった。次回に向けた見直しとして最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア段階の数と各段階の意味を全社で定め、どの部門も同じ基準で見積もるようにする。

    正解。アセスメントを実施するための基準を先に揃える対応です。 物差しが同じなら、誰が何度行っても結果を比べられ、全社で優先順位を付けられます。

  2. イ各部門の結果をそのまま並べ、リスクレベルの数値が大きいものから対応する。

    誤り。3段階で「3」と5段階で「3」は意味が違うので、数値を並べても比べられません。 物差しが違うまま結果だけを集めても、優先順位の根拠になりません。 揃えるべきは結果ではなく、見積もるときの基準です。

  3. ウ各部門の結果を情報システム部が技術面から見直し、同部の判断で付け直す。

    誤り。一つの部門が後から付け直しても、その部門の判断が基準になるだけで、 どう見積もるかという基準が文書で定まりません。業務への影響は各部門の方が よく分かるので、基準を揃えたうえで各部門が見積もる方が適切です。

  4. エ次回からは外部の専門業者に委託し、業者の判断で全部門の見積もりを行う。

    誤り。委託しても、組織として何を「影響:大」とするかを決めていなければ、 業者の判断がそのまま基準になります。見積もりの基準は、組織の目的や リスク態度を踏まえて組織自身が定めるものです。

理解を深めるために

比べられる結果を出すには、まず物差しを揃える

身長を測るのに、ある人はセンチ、別の人はインチで測ったら、数字を並べても誰が高いか分かりません。 リスクアセスメントも同じで、見積もりの段階の数や「大」の意味が部門ごとに違えば、 結果を並べても全社の優先順位は付けられません。そこで、アセスメントを実施するための基準を 始める前に定めておきます。

リスク基準に何を含めるか

リスク基準には、大きく次の2つが含まれます。

  • リスク受容基準: どのリスクレベルなら受け入れるか、対応が要るかを判定する線
  • 情報セキュリティリスクアセスメントを実施するための基準: 発生可能性と影響を何段階で、 それぞれどういう意味で見積もるか、リスクレベルをどう決めるか

後者が揃っていると、繰り返し行ったアセスメントが一貫した、妥当で比べられる結果になります。 基準は、組織の目的やリスク態度を踏まえて組織自身が決め、文書にしておきます。

混同しやすいものとの違い

見直しの方法 何が揃うか
全社で見積もりの基準を定める 見積もりの物差し。結果を比べられる
結果の数値をそのまま並べる 何も揃わない。物差しが違うまま
一部門が後から付け直す その部門の判断。基準は文書に残らない
外部業者に任せる 業者の判断。組織の基準にならない

「結果が比べられない」と言われたら、結果ではなく見積もりの基準を疑うのが定石です。

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