正解:ア
各選択肢の解説
ア資産の導入・変更・廃棄の手続に台帳の更新を組み込み、定期的に実物と突き合わせる。
正解。台帳がずれるのは、資産が動いたときに台帳が一緒に動かないからです。 手続の中で更新させ、定期的な突合せで漏れを拾えば、台帳が実態と合い続けます。
イ毎年リスクアセスメントの直前に、部門全員で台帳を一から作り直す。
誤り。作り直した時点では正しくなりますが、次の作り直しまでの間に導入・廃棄された 資産は反映されません。今回のずれも「1年前に作ったまま」で起きています。 必要なのは時点を決めた作成ではなく、変化のたびの更新です。
ウ登録対象を情報システム部門が調達した機器に限り、管理しやすくする。
誤り。管理は楽になりますが、部門が契約したクラウドサービスや紙の書類、データそのものが 台帳から外れ、今回のような漏れがかえって増えます。台帳は機器の一覧ではなく、 守るべき情報資産の一覧です。
エクラウド上のデータは事業者が管理するため、台帳の対象から外す。
誤り。設備は事業者が管理しても、置いたデータと共有範囲・アカウントの管理責任は 自社に残ります。台帳から外すと、そのデータへの脅威がリスクアセスメントで 洗い出されなくなります。
理解を深めるために
台帳は「作るもの」ではなく「保つもの」
情報資産台帳は、守る対象の一覧です。リスクアセスメントはこの一覧を出発点にするので、 台帳に無い資産は脅威も脆弱性も洗い出されず、対策の検討から黙って抜け落ちます。 逆に、廃棄済みの資産が残っていれば、存在しないものに手間をかけることになります。
なぜずれるのか、どう防ぐのか
台帳がずれる原因の多くは、資産が増えたり減ったりしたときに、台帳を直す人と タイミングが決まっていないことです。
- 導入時: クラウドサービスの契約、機器の購入、新しい書類の作成のときに登録する
- 変更時: 保管場所・管理責任者・重要度が変わったら書き換える
- 廃棄時: 廃棄の記録と合わせて台帳から外す(または廃棄済みにする)
- 定期的に: 実際の資産(機器、契約中のサービス、書庫)と突き合わせ、手続から漏れた分を拾う
こうしておけば、台帳はいつ見ても実態に近い状態に保てます。
混同しやすい改善案との違い
| 改善案 | 問題点 |
|---|---|
| 手続に更新を組み込み、定期的に突き合わせる | 変化のたびに反映され、漏れも拾える |
| 年1回作り直す | 作り直すまでの間の変化が抜ける |
| 情報システム部門の調達機器に限る | 部門契約のサービス・紙・データが外れる |
| クラウド上のデータを外す | データの管理責任は自社に残るのに洗い出されない |
試験では「台帳に何を載せるか」に加えて、「台帳をどう最新に保つか」も問われます。 資産が動く手続と台帳の更新が結びついているかで判断します。