正解:ウ
各選択肢の解説
アトロイの木馬
誤り。トロイの木馬は、役に立つソフトウェアを装って利用者に導入させる不正プログラムで、 自分で増えることはありません。メールで届いて利用者に開かせる点は似ていますが、 ほかの文書に次々と入り込む広がり方は説明できません。
イワーム
誤り。ワームは、ほかのファイルに寄生せず、単独のプログラムとしてネットワーク越しに 自分を複製して広がります。増える点は同じですが、今回は文書ファイルの中に入り込んで 広がっているので、寄生先を必要とするタイプです。
ウマクロウイルス
正解。マクロウイルスは、表計算や文書作成ソフトのマクロ機能を使って動き、 ほかの文書ファイルに自分を埋め込んで広がります。マクロを有効にした操作が感染の引き金です。
エファイルレスマルウェア
誤り。ファイルレスマルウェアは、実行ファイルをディスクに置かず、メモリ上やOS標準の ツールで動くものです。今回は不正な処理が文書ファイルの中に残り、ほかの文書にまで 書き込まれているので、ファイルを使わない手口とは逆です。
理解を深めるために
書類にまぎれて広がる感染
ウイルスが生き物の細胞に入り込んで増えるように、コンピュータウイルスは ほかのファイルに入り込んで広がります。そのうち、文書や表計算のファイルを寄生先に選ぶのが マクロウイルスです。実行ファイル(.exe)ではなく、ふだん業務でやり取りする書類の形で届くため、 受け取った側が警戒しにくいのが特徴です。
なぜ「有効化」の操作が分かれ目になるのか
- 表計算や文書作成ソフトには、定型作業を自動化するマクロ機能がある
- マクロウイルスは、このマクロとして不正な処理を書き込んである
- 外部から届いたファイルのマクロは既定で止められていることが多く、 利用者が「コンテンツの有効化」を選ぶと動き出す
- 動き出すと、共通のテンプレートやほかの文書にも不正なマクロを書き込み、感染が広がる
そのため、攻撃メールは「表示が崩れている場合は有効化してください」などと、 利用者に操作をさせる文面を添えてきます。部門への注意喚起では、届いたファイルのマクロを 安易に有効にしないことが要点になります。
混同しやすいものとの違い
| 不正プログラム | 広がり方 |
|---|---|
| マクロウイルス | 文書ファイルのマクロとして入り込み、ほかの文書に寄生して増える |
| ワーム | 寄生先を持たず、単独でネットワーク越しに自分を複製する |
| トロイの木馬 | 有用なソフトを装って導入させる。自分では増えない |
| ファイルレスマルウェア | 実行ファイルを置かず、メモリ上や標準ツールで動く |
「何に入り込んで、どう増えるか」で切り分けます。寄生先が文書ファイルで、 マクロの有効化が引き金になっていれば、マクロウイルスです。