正解:エ
各選択肢の解説
ア社内のPCに、攻撃者が後から認証を経ずに入り込むための裏口が設けられている。
誤り。これはバックドアの説明です。侵入後に仕掛けられ、利用者が気付かない点は同じですが、 裏口は攻撃者が再び入るための入口にすぎません。複数の他組織へ一斉に通信が向かっている ことは、裏口があるだけでは説明できません。
イ社内のPCの情報が集められ、攻撃者のもとへ継続的に送り出されている。
誤り。これはスパイウェアの説明です。社外への通信が増える点は同じなので混同しますが、 スパイウェアの通信先は情報を受け取る攻撃者側です。今回は通信の宛先が複数の他組織の Webサーバで、情報を送るのではなく攻撃を送りつけています。
ウ自社が外部から大量の通信を送りつけられ、サービスを妨害されている。
誤り。これはDDoS攻撃を受けている被害側の状況です。大量の通信という点が同じですが、 向きが逆です。今回は自社のIPアドレスが送信元として通報されており、 自社の機器が攻撃する側に回っています。
エ社内のPCが遠隔操作される機器の集団に組み込まれ、他組織への攻撃に使われている。
正解。外部のサーバの指示で動く感染機器(ボット)の集団がボットネットです。 多数の機器に一斉に攻撃を送らせるので、自社は被害者であると同時に、攻撃の踏み台になっています。
理解を深めるために
知らないうちに攻撃部隊の一員になる
ボットネットは、乗っ取られた機器を寄せ集めた「遠隔操作できる部隊」のようなものです。 感染した1台1台をボットと呼び、攻撃者は外部の指令サーバ(C&Cサーバ)から まとめて指示を出します。指示を受けた機器は、一斉に同じ相手へ通信を送りつけるなど、 攻撃者の手足として動きます。
なぜ自社が「通報される側」になるのか
- ボットは、利用者が気付くような症状をあまり出さずに動き続ける
- 攻撃の通信は、感染した機器から、つまり自社のIPアドレスから送り出される
- そのため、攻撃を受けた他組織から見ると、自社が攻撃元に見える
このように、自社の機器が他者への攻撃の中継に使われることを踏み台と呼びます。 被害を受けるだけでなく、加害側として扱われるおそれがあるのが、ほかのマルウェアとの大きな違いです。 担当者としては、指示を受けていたPCを特定してネットワークから切り離し、 指令サーバとの通信の記録から感染した範囲を洗い出すことになります。
混同しやすいものとの違い
| 状況 | 通信の向きと相手 |
|---|---|
| ボットネットへの組み込み | 自社の機器から、他組織へ攻撃を送る |
| スパイウェア | 自社の機器から、攻撃者へ情報を送る |
| バックドア | 攻撃者が、自社の機器へ入り込む |
| DDoS攻撃の被害 | 多数の機器から、自社へ通信が押し寄せる |
社外への通信が増えたときは、「誰から誰へ、何を送っているか」で見分けます。 宛先が複数の他組織で、外部からの指示を受けていれば、ボットネットを疑います。