正解:ア
各選択肢の解説
アルートキット
正解。ルートキットは、OSの働きに手を加えて、不正なプログラムのファイルや プロセスを一覧から見えなくします。管理者権限を奪ったうえで使われ、 侵入の痕跡を隠して発見を遅らせるのが役割です。
イバックドア
誤り。バックドアは、正規の認証を経ずに後から再び入り込むための裏口です。 侵入後に仕掛けられる点がルートキットと同じなので混同しますが、 バックドアは「入口を残す」もの、ルートキットは「存在を隠す」ものです。
ウスパイウェア
誤り。スパイウェアは、端末内の情報や利用状況を集めて外部へ送るプログラムです。 外部への不審な通信という症状には合いますが、問われているのは情報を集める 働きではなく、OSを書き換えて自分の姿を一覧から消す働きです。
エファイルレスマルウェア
誤り。ファイルレスマルウェアは、実行ファイルをディスクに置かず、メモリ上や OS標準のツールで動くものです。見つかりにくい点は同じですが、こちらは 隠すべきファイルをそもそも持たず、今回のように存在するファイルを隠す手口とは別物です。
理解を深めるために
見張りの目をふさぐ道具
泥棒が監視カメラの映像を差し替えて、部屋には誰もいないように見せかけるようなものです。 ルートキットは、侵入者が管理者権限を握ったあとにOSの一覧表示そのものに手を加え、 不正なプログラムのファイルやプロセスが見えないようにします。 攻撃の目的を果たす道具ではなく、ほかの不正プログラムを長く居座らせるための道具です。
なぜ端末上の検査だけでは安心できないのか
- ルートキットは、ファイル一覧やプロセス一覧を返すOSの仕組みを書き換える
- 端末上で動く確認手段は、そのOSが返す結果を信じて動いている
- そのため、端末の上で調べても「異常なし」と出ることがある
今回の報告のように、外部への不審な通信など端末の外から見える兆候が手掛かりになります。 OSが信頼できない状態になっているので、感染が確かめられた端末は、駆除して使い続けるより 初期化して入れ直すのが一般的な考え方です。
混同しやすいものとの違い
| 不正プログラム | 侵入後の役割 |
|---|---|
| ルートキット | OSを書き換えて、ファイルやプロセスの存在を隠す |
| バックドア | 認証を経ずに再び入れる入口を残す |
| スパイウェア | 端末内の情報を集めて外部へ送る |
| ファイルレスマルウェア | 実行ファイルを置かず、メモリ上や標準ツールで動く |
どれも「見つかりにくい」点では共通しています。 入口を残すのか、情報を送るのか、姿を隠すのかという、侵入後に担う役割で切り分けてください。