問題 33★★★

自社のメールサーバが、迷惑メールの送信元として外部のブラックリストに登録された。 調べると、サーバに侵入された形跡はなく、社外の送信者から社外宛てのメールを受け付けて そのまま配送していた。見直す設定として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア社外宛てのメールの中継は、認証に成功した自社の利用者から送られたものに限る。

    正解。社外から社外宛てのメールを誰でも中継できる状態(第三者中継)が原因です。 社外宛ての中継を、認証した自社の利用者からの送信だけに絞れば、踏み台にされなくなります。

  2. イ差出人のメールアドレスが自社のドメインであれば、社外宛てでも中継を許可する。

    誤り。差出人のメールアドレスは送る側が自由に書けるため、迷惑メールの送信者が 自社のドメインを名乗れば、そのまま中継されてしまいます。「自社の人かどうか」を 偽れる値で判断している点が、ありがちな設定の誤りです。

  3. ウ自社ドメインのSPFレコードを公開し、送信を許可するサーバを宣言する。

    誤り。SPFは、受信側が「このドメインを名乗るメールが正規のサーバから来たか」を 確かめるための仕組みで、なりすましメールへの対策です。自社のサーバが他人のメールを 中継してしまう設定の問題は、SPFを公開しても変わりません。

  4. エメールサーバの管理者アカウントのパスワードを、長く推測されにくいものに変える。

    誤り。これはサーバの乗っ取りへの対策です。踏み台にされたという点から乗っ取りを 疑いがちですが、この場面では侵入の形跡がなく、サーバは設定どおりに中継していただけです。 原因が感染・侵入か、設定の緩さかで切り分けます。

理解を深めるために

誰の荷物でも預かる窓口

自社の社員の荷物だけを送るはずの発送窓口が、通りがかった見知らぬ人の荷物まで 受け付けて発送していたら、その窓口は迷惑な荷物の発送元として知られてしまいます。 メールサーバがこの状態にあるのが**第三者中継(オープンリレー)**です。 迷惑メールの送信者は、こうしたサーバを見つけて大量のメールを流し込み、 自分の身元を隠したまま送信します。

なぜ設定を直すのか

メールサーバの仕事は、大きく次の2つです。

  • 社外から届いた、自社のドメイン宛てのメールを受け取る
  • 自社の利用者が出したメールを、社外の宛先へ中継する

第三者中継は、2つ目の中継を「誰からでも」受け付けてしまう設定の不備です。 侵入されていなくても、サーバは設定どおりに動いているだけなので、 ウイルス対策やパスワードの強化では止まりません。社外宛ての中継を、 認証に成功した自社の利用者や社内のネットワークからの送信に限るのが対策です。 差出人のアドレスで判断するのは、偽れる値に頼るので不十分です。

混同しやすいものとの違い

対策 防ぐもの
社外宛ての中継を認証した利用者に限る 第三者中継(自社が踏み台になる)
差出人のドメインで中継を許可 防げない(差出人は偽れる)
SPFレコードの公開 自社ドメインを名乗るなりすましメール
管理者パスワードの強化 サーバの乗っ取り

第三者中継となりすましメールは、どちらも迷惑メールに関わるので混同しやすい論点です。 「自社のサーバが他人のメールを運んでいる」のか「他人が自社の名前を名乗っている」のかで見分けます。

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