問題 35★★★

出張中の社員が、ホテルの無料の無線LANから社内のWebメールを開いたところ、 ブラウザにサーバ証明書に問題があるという警告が表示された。URLは正しく入力している。 この社員がとるべき行動として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アURLを正しく入力しているので偽のサイトではないと判断し、警告を閉じて続ける。

    誤り。URLが正しくても、通信の途中に割り込まれれば偽の相手につながります。 正しいURLかどうかは入口の確認にすぎず、つながった相手が本物かを確かめているのは サーバ証明書の検証のほうです。その警告を無視すると唯一の確認が働きません。

  2. イログインせずに無線LANを切断し、別の回線に替えて情報システム部門に報告する。

    正解。証明書の警告は、通信の途中に第三者が割り込む中間者攻撃の兆候でありえます。 認証情報を入力する前にその経路を離れ、報告して原因を確かめてもらうのが適切です。

  3. ウ証明書を例外として登録し、次回以降は同じ警告が出ないようにしてから使う。

    誤り。例外として登録すると、割り込んだ攻撃者の証明書を正しいものとして扱うことになり、 次からは警告すら出なくなります。警告を消す操作は、問題を解決するのではなく 見えなくするだけです。

  4. エブラウザのキャッシュを削除し、同じ無線LANにつないだままアクセスし直す。

    誤り。キャッシュの削除は、古い表示が残っているときの対処です。警告の原因が通信経路への 割り込みであれば、同じ無線LANのままでは何度つなぎ直しても同じ相手を経由します。 原因が端末の中か経路の途中かを取り違えています。

理解を深めるために

間に入った通訳

2人の会話の間に通訳が入り、双方に「相手はこう言っています」と伝えていたとします。 その通訳が偽物なら、会話を全部聞いたうえで内容を書き換えることもできます。 通信の途中に第三者が割り込み、利用者とサーバの双方になりすまして中継するのが 中間者(Man-in-the-middle)攻撃です。誰でもつなげる無料の無線LANや、 本物に見せかけた偽のアクセスポイントは、割り込まれる場所になりえます。

なぜ証明書の警告で止まるのか

HTTPSの通信では、ブラウザがサーバ証明書を検証して「つながった相手が、 入力したURLの本当の持ち主か」を確かめています。

  • 途中に割り込んだ攻撃者は、そのドメインの正しい証明書を持っていないため、 検証に失敗して警告が出る
  • 警告を無視して進むと、IDやパスワードを攻撃者に渡すことになりかねない
  • 警告の原因は無線LANの設定の不備などのこともあるが、利用者にはその場で区別できない

そのため、ログインせずにその経路を離れ、信頼できる回線に替えて、 情報システム部門に報告するのが適切です。

混同しやすいものとの違い

行動 結果
ログインせず切断し報告 認証情報を渡さず、原因の調査につながる
URLが正しいので続行 経路への割り込みは防げない
証明書を例外登録 攻撃者の証明書を信用し、以後警告も出ない
キャッシュ削除して再接続 同じ経路を通るので変わらない

URLは「どこに行きたいか」、証明書は「つながった相手が本物か」を表します。 中間者攻撃に気づける手がかりは後者だけだと押さえておきます。

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