正解:ウ
各選択肢の解説
ア手掛かりとなる特徴をモデルが自ら見つけるので、不良品の画像が数枚あれば十分な精度が見込める。
誤り。特徴を自ら見つけることと、少ないデータで済むことは別の話です。 特徴を人が教えないぶん、それを見つけ出すための材料として多くの画像が要ります。 数枚では、たまたま写り込んだ違いを手掛かりと取り違えるおそれがあります。
イ中間層を深く重ねるほど精度は必ず上がるので、層の数はできるだけ多く設定しておく。
誤り。層を増やすと調整すべき数値が増え、必要なデータ量と計算量も膨らみます。 データが足りないまま層だけ深くすると、学習データにだけ合いすぎる過学習を 起こしやすくなります。「深いほど良い」と一律には言えません。
ウ特徴を人が細かく設計しなくてよい反面、一般に大量の学習用画像と高い計算能力が必要になる。
正解。何を手掛かりにするかまでデータから学ぶため、手間が減る代わりに 材料となるデータと、膨大な計算をこなす処理能力が求められます。 導入の検討では、画像を集められるかを最初に確かめることになります。
エ判断の基準を人がルールとして書き込む手法なので、まず熟練者の目視基準を細かく聞き取る。
誤り。これは、専門家の知識を条件の組合せとして書き込むルールベースの考え方です。 ディープラーニングは基準を人が書くのではなく、良品と不良品の画像を大量に 与えて見分け方を学ばせます。熟練者の知見は、画像の仕分けなどで生かします。
理解を深めるために
手間が減るぶん、材料と馬力が要る
ディープラーニングは、ベテラン検査員の「傷の長さ」「色むら」といった目の付けどころを 人が教えなくても、画像を大量に見せるだけで見分け方を身に付けます。 その代わり、見分け方を一から学ぶための材料(データ)と計算の馬力が必要です。 「人の手間」と「データ・計算」を交換している、と考えると覚えやすくなります。
なぜ大量のデータと計算が要るのか
- 中間層を深く重ねたモデルは、調整すべき数値(重み)が非常に多い
- その数値を、学習データを何度も繰り返し読み込ませながら少しずつ合わせていく
- 数値が多いほど、偏りなく合わせるための多様なデータと、繰り返し計算の処理能力が要る
このため、導入の検討ではアルゴリズムより先に、十分な数の画像を集められるか、 学習を回す計算環境を用意できるかが論点になります。 既存の学習済みモデルを土台にして必要な画像の数を減らす工夫もありますが、 「数枚で足りる」わけではありません。
誤解しやすい考え方との違い
| 考え方 | 実際 |
|---|---|
| 大量のデータと計算能力が要る | 特徴を自ら学ぶ代償。ディープラーニングの特徴そのもの |
| 特徴を自ら見つけるから少量で足りる | 見つけるための材料が多く要る。少量では誤った手掛かりを覚えやすい |
| 層は深いほど必ず精度が上がる | データ不足なら過学習を招き、計算量も膨らむ |
| 判断基準を人がルールとして書く | ルールベースの考え方。ディープラーニングは例から学ぶ |
「人が特徴を設計しなくてよい」という長所は、裏返すと「データと計算に頼る」という 前提条件でもあります。長所と前提をセットで押さえておくと、場面設定の問題で迷いません。