問題 14★★☆

ニューラルネットワークに正解付きの学習データを与えて学習させるとき、学習の進行に伴って 調整されるものとして、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アノード間のつながりの重み。出力と正解のずれが小さくなる方向へ少しずつ変えられる。

    正解。ニューラルネットワークの学習とは、層と層をつなぐ多数の重みを、 出力が正解に近づくように繰り返し調整することです。 学習で身に付けた見分け方は、この重みの値として蓄えられます。

  2. イ入力層・中間層・出力層の層の数。精度が上がるまで学習の中で自動的に増やされる。

    誤り。層の数やノードの数は、一般に学習を始める前に人が設計として決めておくものです。 ディープラーニングは「層が深い」ことが特徴なので層の数が学習で変わると誤解しがちですが、 学習で変わるのは決めた構造の中の重みの値です。

  3. ウ「もし~ならば~」という判断ルールの一覧。人が読める条件分岐の形で書き出される。

    誤り。条件分岐のルールとして知識を表すのは、ルールベースの仕組みや決定木の考え方です。 ニューラルネットワークの知識は膨大な重みの数値に分散して蓄えられるため、 人が読めるルールの形では取り出せず、判断の理由を説明しにくくなります。

  4. エ学習データから選んだ代表的な事例の集まり。新しい入力は最も似た事例と照合される。

    誤り。これは「AIは学習データを丸暗記している」という誤解に近い考え方です。 ニューラルネットワークは事例そのものを保存して照合するのではなく、データの傾向を 重みに反映させるので、学習後は学習データがなくても判定できます。

理解を深めるために

学習とは「つまみ」を回すこと

ニューラルネットワークは、入力層・中間層・出力層のノード(脳の神経細胞にあたる)が つながった構造をしています。それぞれのつながりには、信号をどれだけ強く伝えるかを表す 重みという数値が付いています。

たとえるなら、無数の音量つまみが付いたミキサーです。 学習とは、答え合わせをしながら、正しい出力が出るようにつまみを少しずつ回していく作業です。 つまみの配置(層やノードの数)は最初に決めておき、学習で動かすのはつまみの位置です。

学習の流れ

  1. 学習データを入力し、今の重みのまま出力を計算する
  2. 出力と正解を比べ、どれだけずれているかを求める
  3. ずれが小さくなる方向へ、各層の重みを少しずつ修正する
  4. これを大量のデータで何度も繰り返す

中間層を深く重ねたディープラーニングでは重みの数が膨大になり、 複雑な特徴までとらえられる一方で、判断の根拠が数値の組合せに埋もれて説明しにくい という性質も生まれます。

学習で「変わるもの」を整理する

候補 学習で変わるか
ノード間のつながりの重み 変わる。学習の成果そのもの
層の数・ノードの数 一般に学習前に人が決める構造で、学習では変わらない
条件分岐のルール一覧 ルールベースや決定木の知識の表し方で、ニューラルネットワークでは作られない
代表的な事例の保存 事例を覚えて照合する方式の考え方。ニューラルネットワークは傾向を重みに込める

「構造は人が決め、重みはデータが決める」と押さえると、紛らわしい選択肢を切り分けられます。

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