正解:ウ
各選択肢の解説
ア担当者が宛先を誤って、取引先の見積書を別の会社へメールで送信した。
誤り。これは人の操作ミスによる事故で、偶発的な脅威にあたります。 情報が外部に出る点は同じですが、攻撃する意図を持った相手がいません。 誤送信の対策は、送信前の確認や送信の一時保留などの運用で行います。
イ落雷による停電で、社内のファイルサーバが半日にわたり停止した。
誤り。これは自然災害などによる環境的な脅威です。サーバが使えなくなる点は 攻撃による停止と似ていますが、原因は人の意図ではありません。 対策は無停電電源装置(UPS)や設備の冗長化が中心になります。
ウ第三者がネットワーク経由で大量の通信を送りつけ、Webサイトを停止させた。
正解。悪意を持った者が、ネットワークを通じて情報システムに害を与えています。 これはDDoS攻撃と呼ばれるサイバー攻撃の代表例です。
エ退職予定の社員が、印刷した顧客名簿を無断で社外へ持ち出した。
誤り。これは内部不正です。意図的な行為ではありますが、紙の書類を物理的に 持ち出しており、ネットワークや情報システムを通じた攻撃ではありません。 対策は、印刷や持ち出しの制限と記録が中心です。
理解を深めるために
「誰かが」「ネットワーク越しに」仕掛けてくるもの
情報が漏れたりシステムが止まったりする原因は、攻撃だけではありません。 操作ミス、災害、社員による持ち出しでも同じような被害は起こります。
サイバー攻撃は、その中でも悪意を持った者が、ネットワークなどを通じて 情報システムやデータに害を与える行為を指します。 「意図があるか」と「情報システムを経由しているか」の二つがそろうのが特徴です。
原因の種類によって対策が変わる
- サイバー攻撃:不正アクセス、マルウェアの送り込み、DDoS攻撃など
- 人の誤り(偶発的な脅威):誤送信、設定ミス、紛失など
- 環境的な脅威:地震、落雷、火災などの災害や設備の故障
- 内部不正(物理的な持ち出し):書類や記録媒体の無断持ち出しなど
被害の見た目が同じでも、原因が違えば打つ手が違います。 サイバー攻撃にはファイアウォールや監視などの技術的対策、誤送信には運用の見直し、 災害には設備の冗長化、というように対策を選び分けます。
混同しやすい事象との違い
| 事象 | 意図 | 情報システム経由か | 分類 |
|---|---|---|---|
| 大量の通信でWebサイトを停止 | あり | あり | サイバー攻撃 |
| メールの誤送信 | なし | あり | 人の誤り |
| 落雷による停電 | なし | ― | 環境的な脅威 |
| 印刷物の無断持ち出し | あり | なし | 内部不正(物理的) |
なお、内部の者でも、権限を悪用してネットワーク経由で情報を盗み出せば、 サイバー攻撃と同じ手口になります。見分けるときは「意図」と「経路」の二つを確かめます。