問題 14★★☆

B社では、公開したシステムに後から脆弱性が見つかり、そのつど大きな改修が必要に なっていた。そこで次のシステムでは、企画・設計の段階で想定する脅威と対策を 洗い出し、要件に組み込むことにした。この考え方を表す用語はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アプライバシーバイデザイン。個人情報の保護を企画・設計の段階から組み込む考え方。

    誤り。「設計段階から組み込む」点は同じですが、守る対象が個人情報や プライバシーに絞られます。B社が洗い出しているのは脅威全般なので、 より広いセキュリティバイデザインが当てはまります。

  2. イセキュリティバイデザイン。情報セキュリティを企画・設計の段階から組み込む考え方。

    正解。対策を後付けするのではなく、要件の一部として最初から設計に織り込みます。 早い段階ほど直す費用が小さく済むため、手戻りの削減にもつながります。

  3. ウフェールセーフ。障害が起きたときに被害の小さい側へ倒れるようにする設計の考え方。

    誤り。これは信頼性設計の考え方で、故障や誤りが起きた後の振る舞いを 決めるものです。設計段階で考える点は共通ですが、 目的は攻撃への備えではなく、安全な停止のしかたです。

  4. エペネトレーションテスト。完成したシステムに擬似的な攻撃を行って弱点を探す手法。

    誤り。これは作り終えたものを検査する手法で、B社がこれまで繰り返してきた 後追いの対処に近い位置づけです。有効な手段ですが、 見つかってから直すため、改修の負担は大きくなります。

理解を深めるために

後から足すセキュリティは高くつく

家の防犯を考えてみます。建ててから窓に格子を付け、玄関を付け替えるのは、 費用も手間もかかります。設計の段階で窓の位置や鍵の仕様を決めておけば、 同じ安全がずっと安く手に入ります。

システムも同じです。セキュリティバイデザイン(セキュアバイデザイン)は、 企画・設計の段階からセキュリティを織り込む考え方で、 できあがってから対策を貼り付ける進め方と対比されます。

具体的に何をするのか

  • 企画段階で、守るべき情報と想定する脅威を洗い出す
  • その対策を、機能要件と並ぶ要件として設計に含める
  • テスト工程で、要件どおりに実現できたかを確認する
  • 公開後に脆弱性が見つかったときの修正手順まで、あらかじめ決めておく

工程が進むほど、直すのに必要な作業は増えます。 設計の1行で済むことが、公開後には改修とテストと利用者への周知まで必要になります。

混同しやすい用語との違い

用語 何を、いつから組み込むか
セキュリティバイデザイン 情報セキュリティ全般を、企画・設計の段階から
プライバシーバイデザイン 個人情報・プライバシーの保護を、企画・設計の段階から
フェールセーフ 障害時に安全側へ倒す仕組みを、設計の段階から
ペネトレーションテスト 弱点の発見を、完成後の検査として

見分け方は二つの軸です。いつから考えるか(設計段階か、完成後か)と、 何を守るか(セキュリティ全般か、個人情報か)。 個人情報の取扱いが主題ならプライバシーバイデザインを疑います。

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