問題 12★★☆

社内で複数のクラウドサービスを使い分けている企業が、シングルサインオンを 導入した。シングルサインオンの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア一度認証を受ければ、連携する複数のサービスを続けて利用できる仕組み。

    正解。認証の結果を各サービスが受け取って信用するため、利用者はサービスを 移るたびにログインし直す必要がありません。認証の回数が1回で済みます。

  2. イ利用者IDとパスワードを各サービスで同じ内容にそろえて登録する運用。

    誤り。最も多い誤解です。これは使い回しであって、ログイン操作はサービスごとに 必要です。しかも1か所から漏れると全サービスが破られる危険な運用です。

  3. ウ記憶と所有のように、種類の違う情報を組み合わせて本人を確かめる方式。

    誤り。これは多要素認証の説明です。1回の認証をどれだけ確実にするかの話で、 いくつのサービスをその認証で使えるようにするかとは別の観点です。

  4. エ利用者ごとに、どのデータをどこまで扱えるかを決めて制限する仕組み。

    誤り。これはアクセス管理(権限の設定)の説明です。認証の後に「何をしてよいか」 を決めます。シングルサインオンは、その前段にある本人確認の回数の話です。

理解を深めるために

入館証を一度見せれば、中の部屋は通れる

受付で身分を確認して入館証を受け取れば、建物内の各部屋では その入館証を見せるだけで入れます。部屋ごとに免許証を出し直すことはしません。 シングルサインオンはこれと同じ考え方です。

最初に認証を担当する仕組みで一度だけ本人確認を受け、 各サービスは「あの仕組みが確認済みだと言っている」という情報を信用して 利用者を通します。利用者から見れば、ログイン操作は1回で済みます。

「同じパスワードを使い回すこと」ではない

ここが試験でよく狙われます。 IDとパスワードを全サービスで同じにそろえても、

  • ログイン画面はサービスごとに出るので、入力の手間は減らない
  • どれか1つから漏えいすると、すべてのサービスに入られる

シングルサインオンでは、各サービスがパスワードを個別に受け取りません。 認証を1か所に集めるので、そこを多要素認証にすれば、 全サービスの入口をまとめて強くできます。

混同しやすいものとの違い

用語 何を決めるか
シングルサインオン 1回の認証で、いくつのサービスを使えるか
多要素認証 1回の認証を、何種類の情報で確かめるか
アクセス管理 認証済みの利用者が、何をどこまで扱えるか

認証を集めるぶん、その1か所が突破されたときの影響は大きくなります。 シングルサインオンの利点を問う問題では「利用者の負担軽減とID管理の一元化」、 注意点を問う問題では「認証を集約した箇所の保護」が答えの軸になります。

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