問題 27★★★

社内には、インターネットに接続したネットワークカメラやルータが多数ある。 これらがDDoS攻撃の踏み台として悪用されることを防ぐ対策として、 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア社外へ送るファイルを暗号化し、パスワードを別の手段で相手に伝える。

    誤り。これは送信の途中で中身を読まれないための対策で、守っているのは ファイルの機密性です。踏み台にされるかどうかは機器そのものが 乗っ取られるかで決まるため、送るデータの扱いでは防げません。

  2. イ業務で使う重要なデータを、定期的に別の媒体へバックアップする。

    誤り。これはデータを失ったときに元へ戻すための備えです。被害を受けた あとの復旧には有効ですが、機器が乗っ取られて他社への攻撃に加担する こと自体は止められません。予防と復旧は役割が違います。

  3. ウ機器の初期設定のIDとパスワードを変更し、ファームウェアを最新に保つ。

    正解。踏み台にされる機器の多くは、初期パスワードのままか、修正されて いない脆弱性を残したまま外部から届く状態に置かれています。 入口をふさぐことが、加害側に回らないための対策になります。

  4. エ受信したメールの添付ファイルを開く前に、マルウェアの検査を行う。

    誤り。これは人が使う端末への感染経路をふさぐ対策です。カメラやルータは メールを受け取らず、インターネット側から直接ログインを試される形で 乗っ取られます。侵入の入口が違うため、この検査では届きません。

理解を深めるために

被害者のつもりが、加害者になっている

DDoS攻撃は、攻撃者が自前の機器から仕掛けるのではなく、世界中で乗っ取った 機器に一斉に命令を出して行います。つまり攻撃の実行役は、どこかの会社や 家庭にある、ふつうに動いているだけの機器です。自社のカメラが乗っ取られれば、 自社は被害者であると同時に、他社への攻撃に加担する立場になります。

なぜカメラやルータが狙われるのか

  • 初期パスワードのまま使われやすい。 製品ごとに共通の初期IDとパスワードは 広く知られており、機械的に試せば次々と入られます
  • 更新されないまま放置されやすい。 パソコンと違い、管理台帳に載っておらず 「誰が面倒を見るか」が決まっていないことが多くあります
  • 常時電源が入り、常時つながっている。 攻撃者にとっては、いつでも使える 実行役として都合がよい条件です

こうして乗っ取られた機器の集まりがボットネットで、外部の指令サーバから 号令を受けて一斉に標的へ通信を送ります。

混同しやすい対策との違い

対策 何を防ぐか
初期パスワードの変更・更新の適用 機器が乗っ取られ、踏み台にされること
ファイルの暗号化 送信中や持出し時に中身を読まれること
バックアップ データを失ったあと、元に戻せないこと
添付ファイルの検査 端末がメール経由でマルウェアに感染すること

試験では「踏み台」「加担」という語が出たら、守る対象は自社のデータではなく 機器そのものだと切り替えます。対策は、外から入られない状態を保つことです。

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