問題 28★★☆

あるWebサービスで、同じ利用者IDのログインが続けて一定回数失敗したら、 そのIDを一時的に使えなくする仕組みを導入した。この仕組みが特に効果を 発揮する攻撃はどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア考えられる文字の組合せを機械的に次々と試し、パスワードを探り当てる攻撃。

    正解。総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)は、当たるまで何度も失敗を 繰り返すことで成り立ちます。失敗が続いた時点で受付をやめてしまえば、 試せる回数に上限ができ、攻撃は成立しなくなります。

  2. イ他社から流出したIDとパスワードの組を、別のサイトでそのまま試す攻撃。

    誤り。これはパスワードリスト攻撃です。試すのは実際に使われていた 正しい組合せなので、1つのIDにつき1回試せば済み、失敗の回数が上限に 達しにくいという違いがあります。ロックだけでは止めきれません。

  3. ウ入力中のパスワードを背後からのぞき見て、本人になりすます攻撃。

    誤り。これはショルダーハッキングで、ソーシャルエンジニアリングの一種です。 攻撃者は正しいパスワードを見たうえで入力するため、そもそも失敗が 発生せず、回数を数える仕組みには引っかかりません。

  4. エ本物そっくりの偽サイトへ誘導し、利用者自身に認証情報を入力させる攻撃。

    誤り。これはフィッシングです。入力が行われるのは攻撃者が用意した 偽サイトなので、本物のサービス側には失敗の記録が残りません。 正規サイトでの回数制限では検知も防止もできません。

理解を深めるために

鍵の束を端から試す攻撃

大量の鍵を持った泥棒が、扉の前で端から順に差し込んでいく。 いつかは開きますが、そのためには何度も外れを引く必要があります。 総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)はこの形の攻撃で、 弱点は「失敗が大量に出ること」にあります。

失敗の回数を絞ると何が起きるか

  • 5回失敗したら30分ロック、といった制限を置くと、1時間に試せるのは 10通り程度になります。総当たりに必要な時間は現実的でなくなります
  • パスワードの桁数や文字種を増やすことも、同じ弱点への対策です。 試す組合せの総数そのものが跳ね上がり、当たるまでの時間が伸びます
  • 逆に、誕生日や単語のような当てやすいパスワードは、試す順番を工夫する 攻撃(辞書攻撃)で短時間に破られます

一方、ロックには副作用もあります。攻撃者がわざと失敗を繰り返して 正規の利用者を締め出す、という使い方もできるためです。

混同しやすい攻撃との違い

攻撃 何を試すか ロックの効き方
総当たり攻撃 あり得る組合せすべて よく効く
パスワードリスト攻撃 流出した正しい組合せ 効きにくい
ショルダーハッキング 見て知った正しい値 効かない
フィッシング 偽サイトで入力させる 効かない

試験では「回数制限」「アカウントロック」と結び付くのは総当たり攻撃です。 失敗が大量に出る攻撃かどうかが、見分ける手がかりになります。

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