正解:エ
各選択肢の解説
アサーバに保存された顧客情報が、外部に持ち出される。
誤り。これは不正アクセスによる情報漏えいで、守られなくなるのは機密性です。 DoS攻撃はサーバに大量の要求を送りつけるだけで、中のデータを読み出す 仕組みを持ちません。持ち出しを狙う攻撃とは目的が別だと整理します。
イ端末内のファイルが暗号化され、復元と引換えに金銭を要求される。
誤り。これはランサムウェアの被害です。「使えなくなる」という結果が 似ているため混同しますが、ランサムウェアは端末に入り込んでファイルを 書き換えるのに対し、DoS攻撃は外から通信を浴びせるだけで中には入りません。
ウ通信が途中で盗み見られ、利用者のIDとパスワードが漏れる。
誤り。これは盗聴や中間者攻撃にあたります。どちらも標的のサーバの外側で 仕掛ける点は共通しますが、盗聴は気付かれないことが前提の攻撃で、 サービスを止めてしまうDoS攻撃とは狙いが正反対です。
エ利用者がWebサイトにアクセスできない状態になる。
正解。DoS攻撃は処理しきれない量の要求を送り、サーバを応答できない 状態に追い込む攻撃です。奪われるのは情報ではなく、使いたいときに 使えるという可用性です。
理解を深めるために
盗むのではなく、止める攻撃
店の入口に人を大量に並ばせて、本当の客が入れないようにする。 DoS攻撃(Denial of Service attack)がやっているのはこれです。 店の金庫をこじ開けるわけでも、商品を持ち去るわけでもありません。 それでも店は商売にならず、その間の売上と信用を失います。
何が損なわれるのかで見分ける
情報セキュリティで守る三要素のうち、DoS攻撃が狙うのは可用性です。
- 機密性を狙う攻撃 … 情報を持ち出す。不正アクセス、盗聴、フィッシング
- 完全性を狙う攻撃 … 情報を書き換える。改ざん
- 可用性を狙う攻撃 … 使えなくする。DoS攻撃、DDoS攻撃
DoS攻撃は情報を一切持ち出さないため、「何も盗まれていないのだから 被害は小さい」と誤解されがちです。しかしWebサイトが受注の窓口であれば、 止まっている時間はそのまま損失になります。金銭を要求して攻撃をやめる、 あるいは他の攻撃から目をそらすための陽動として使われることもあります。
混同しやすいものとの違い
| 攻撃 | 何が起きるか | 損なわれる要素 |
|---|---|---|
| DoS攻撃 | サービスが応答しなくなる | 可用性 |
| ランサムウェア | 端末内のファイルが暗号化される | 可用性(内側から) |
| 不正アクセス | 保存された情報が持ち出される | 機密性 |
| 盗聴 | 通信の内容が読み取られる | 機密性 |
試験では「大量の」「応答できなくする」「利用できなくする」という語が並べば サービス妨害の攻撃です。情報が持ち出されたかどうかで切り分けると迷いません。