問題 6★★★

総務部門が、入退館記録、社内Wi-Fiの接続ログ、複合機の利用記録を一つの分析基盤に集め、 オフィスの利用状況を分析する計画を立てた。元の記録はそれぞれ別の部署が管理している。 情報セキュリティ担当者の助言として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア元の記録は各部署で保護されているので、集めた後も元の部署の管理区分のまま扱う。

    誤り。元の区分は、それぞれの記録を単独で見たときの重要度で決めたものです。 集めて組み合わせると、単独では分からなかった情報が見えるようになるため、 元の区分を引き継ぐだけでは守りが足りなくなることがあります。

  2. イ分析の結果は統計値として使うので、基盤に入れる個々の記録は保護の対象から外す。

    誤り。最終的に出す結果が統計値でも、基盤の中には一人ひとりの記録がそのまま残っています。 保護が要るかどうかは、結果の形ではなく、基盤に何が入っているかで決まります。

  3. ウ形式がばらばらなので、表の形に整えられた記録だけを保護の対象として管理する。

    誤り。表の形かどうかは構造化データか非構造化データかの区別で、重要度とは関係がありません。 ログのような形式の整っていないデータにも、個人の行動は記録されています。

  4. エ組み合わせると個人の行動を追えるため、集めた後の重要度を改めて評価し、閲覧者を絞る。

    正解。いつ入館し、どこで接続し、何を印刷したかを重ねると、特定の人の一日がたどれます。 多様なデータを集めたときは、集めた後のデータを一つの資産として評価し直します。

理解を深めるために

1枚ずつなら平凡な写真も、並べると行動記録になる

駅の改札を通った記録、コンビニのレシート、会社の入館記録。どれも1枚だけなら 大した情報ではありません。ところが時刻順に並べると、その人がいつどこで何をしたかが 分かる行動記録になります。種類の違うデータを大量に集めて分析するビッグデータの取り組みでは、 この「集めると重要度が上がる」性質に注意が要ります。

なぜ集めた後に評価し直すのか

  • 組み合わせの効果: 入館時刻、接続したアクセスポイント、印刷した文書名を重ねると、 特定の人の居場所や作業内容がたどれる
  • 元の区分の前提が崩れる: 各部署の管理区分は、その記録を単独で見たときの重要度で決めている
  • 一か所に集まる: 分析基盤に入れると、一度の不正アクセスで全部が漏れる

そのため、集めた後のデータを一つの情報資産として重要度を評価し直し、閲覧できる人や 持ち出しの条件を決めます。分析に不要な項目は、集める段階で外すことも検討します。

選択肢の考え方の違い

選択肢の考え方 どこがずれているか
集めた後の重要度を評価し直す 組み合わせで重要度が上がる性質に対応している
元の部署の区分を引き継ぐ 単独で見たときの重要度のままになっている
結果が統計値なら保護しない 基盤の中身ではなく出力の形で判断している
表の形のデータだけ守る 構造化かどうかと重要度を混同している

ビッグデータは量・種類・発生頻度の大きさを表す言葉です。試験では、多様なデータを集める場面で 「集めたことで何が分かるようになるか」に目を向けられるかが問われます。

前の問題へ次の問題へ