正解:ウ
各選択肢の解説
ア公的機関が公表した数値なので、自社の状況にもそのまま当てはまるものとして使う。
誤り。公表元の信頼性と、自社に当てはまるかどうかは別の話です。調査の対象が 大企業中心なのか、別の業種なのかで傾向は変わります。出どころが確かでも、 対象の違いを確かめずに自社の結論へ直結させることはできません。
イ他者が集めたデータは信頼できないので使わず、すべて自社で調べ直す。
誤り。2次データは、自分では集めにくい広い範囲の傾向を、早く安く知るために使うものです。 他者が集めたことだけを理由に捨てる必要はありません。自社の状況は1次データで補い、 2次データと組み合わせて判断します。
ウ調査の目的・対象・時期などの条件を確かめ、自社との違いを踏まえて使う。
正解。2次データは他者が別の目的で集めたものなので、どんな条件で集めたかを 確かめてから使います。自社の業種や規模との違いを踏まえれば、判断の材料になります。
エ自社の被害件数と比べるときは、件数の数え方が違っていてもそのまま並べる。
誤り。何を1件と数えるか(未遂を含むか、検知しただけか)が違えば、数字を並べても 比べたことになりません。2次データは定義を自分で決められないので、比べる前に 数え方をそろえるか、違いを明記します。
理解を深めるために
他人が作った地図は、作られた目的を知ってから使う
観光用の地図は名所を大きく描き、登山用の地図は等高線を細かく描きます。どちらも正しい地図ですが、 目的が違えば役に立つ場面も違います。2次データも同じで、他者が別の目的で集めたデータを 利用するものです。使う前に、何のために、誰を対象に、いつ集めたのかを確かめます。
なぜ条件を確かめるのか
- 対象の違い: 調査が大企業中心なら、中小規模の自社とは被害の傾向がずれることがある
- 時期の違い: 攻撃の手口は変わりやすく、数年前の結果は今の傾向と合わないことがある
- 定義の違い: 「被害1件」の数え方が自社の記録と違えば、数字を並べても比べられない
一方で、2次データを捨てる必要はありません。自社だけでは集められない広い範囲の傾向を、 手早く知ることができます。自社の状況は1次データ(自ら目的を持って集めたデータ)で補い、 両方を突き合わせて判断するのが基本です。
選択肢の考え方の違い
| 選択肢の考え方 | どこがずれているか |
|---|---|
| 条件を確かめ、違いを踏まえて使う | 2次データの正しい使い方 |
| 公的機関の数値だからそのまま当てはめる | 信頼性と自社への当てはまりを混同している |
| 他者のデータは使わず全部調べ直す | 2次データの利点(広さ・速さ)を捨てている |
| 数え方が違っても並べて比べる | 定義の違いを無視している |
1次・2次の区別は「誰が、どの目的で集めたか」です。試験では、2次データを使う場面で 「集めた条件を確かめる」という行動が選べるかを見ます。