問題 8★★★

家電メーカーが、スマート家電から送られる稼働時間や設定温度などの利用状況データを、 新サービスの開発に使う予定である。法務部門の確認で、このデータは利用者の登録情報と 照合できない形で集めており、個人情報に当たらないとされた。情報セキュリティ担当者の 助言として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア個人情報に当たらないので、取得する項目や使い道を利用者に示す必要はない。

    誤り。法令上の個人情報に当たらないことは、配慮が要らないことを意味しません。 家電の使い方からは在宅の時間帯や生活の様子が分かります。利用者が知らないまま 使われていると分かれば、信頼を損ないます。

  2. イ生活の様子が分かるパーソナルデータとして、取得する項目と使い道を利用者に示す。

    正解。個人に関わるデータは、個人情報に当たらなくてもパーソナルデータです。 何を集めて何に使うかを利用者に分かるように示すことが、安心して使ってもらう前提になります。

  3. ウ個人情報保護法に基づき、利用する前に一人ずつ本人の同意を得なければならない。

    誤り。個人情報保護法の義務は、個人情報に当たるデータが対象です。問題文の条件では 個人情報に当たらないとされているので、法に基づく同意は求められません。 法的な義務と、利用者への配慮は分けて考えます。

  4. エ匿名加工情報に当たるので、作成した情報の項目を公表する手続を行う必要がある。

    誤り。匿名加工情報は、個人情報を加工して本人を識別できないようにしたものです。 初めから個人情報でない形で集めたデータは、匿名加工情報の手続の対象になりません。

理解を深めるために

法律の線の外側にも「誰かの暮らし」がある

エアコンが毎朝7時に動き出し、平日の昼は止まっている。名前が分からなくても、 その家の暮らし方は見えてきます。こうした個人に関わるデータを広くパーソナルデータと呼びます。 法令上の個人情報はその一部で、個人情報に当たらないデータも含みます。

なぜ個人情報でなくても示すのか

  • 法的な義務の範囲: 個人情報保護法の義務は個人情報が対象。今回のデータには同意などの義務がかからない
  • 利用者の受け止め方: 在宅の時間帯が分かるデータを、知らないうちに使われていたと分かれば、 法令違反でなくても信頼を失う
  • 透明性: 取得する項目と使い道を、利用規約の奥ではなく分かりやすい場所で示す

情報セキュリティ担当者は、「法令上問題ないか」と「利用者がどう受け止めるか」を分けて考えます。 前者を法務部門が確認した後でも、後者の観点から助言する余地があります。

混同しやすいものとの違い

用語 何を表すか
パーソナルデータ 個人に関わるデータ全般。個人情報に当たらないものも含む
個人情報 生存する個人を識別できる情報。個人情報保護法の義務の対象
匿名加工情報 個人情報を加工して本人を識別できないようにしたもの

試験では、法令の義務がかからないデータについて「何もしなくてよい」と「法律上の同意が要る」の 両極端を避け、パーソナルデータとしての配慮を選べるかが問われます。

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