正解:イ
各選択肢の解説
ア一部の会員について、電話番号の欄だけを空欄にして、その会員のほかの項目は残す。
誤り。これはセル削除で、特定の人の特定の項目(表の1マス)だけを消す手法です。 ほかの会員の電話番号は残るので、項目そのものを消すという指示とは範囲が違います。
イ電話番号の列を、全会員のデータからまとめて取り除き、ほかの項目は残す。
正解。項目削除は、特定の項目(表の列)を全件から消す手法です。分析に使わない 電話番号を全員分取り除けば、その項目から本人にたどり着く道がなくなります。
ウ電話番号から本人が分かりやすい会員について、その会員の行を全項目まとめて取り除く。
誤り。これはレコード削除で、特定の人の行を全項目まとめて消す手法です。対象の会員の データは無くなりますが、ほかの会員の電話番号は残るうえ、購買の記録まで分析から消えます。
エ全会員の電話番号の下4桁を「****」に置き換え、電話番号の列は残しておく。
誤り。これは値の一部を伏字にするデータマスキングです。電話番号の列は残り、 市外局番などの一部も読めるので、項目を取り除くという指示とは別の加工になります。
理解を深めるために
表のどこを消すかで名前が変わる
会員データを表として思い浮かべます。縦に並ぶのが項目(列)、横に並ぶのが会員1人分のデータ(行)です。 項目削除は列を縦にまるごと消し、レコード削除は特定の人の行を横にまるごと消します。 どちらも「削除」ですが、消す向きが逆です。
3つの削除の違い
個人情報保護委員会のガイドライン(匿名加工情報の加工方法の整理)では、削除の手法が 次のように分けられています。
- 項目削除: ある項目を、全件のデータから消す(例: 電話番号の列を全員分消す)
- レコード削除: 特定の個人のデータを、全項目まとめて消す(例: 特異な属性の人の行を消す)
- セル削除: 特定の個人の、特定の項目だけを消す(例: ある人の電話番号の欄だけ消す)
分析に要らない項目なら、項目削除がいちばん素直です。一方、特定の人だけが目立つ場合は、 その人の行を消すか(レコード削除)、目立つ1マスだけ消すか(セル削除)を、残したい情報に応じて選びます。 なお、匿名加工情報として扱うには、ほかにも定められた加工基準を満たす必要があり、 電話番号を消しただけで要件を満たすわけではありません。
混同しやすいものとの違い
| 手法 | 消す範囲 | 電話番号はどうなるか |
|---|---|---|
| 項目削除 | 列を全件から | 全員分が無くなる |
| レコード削除 | 特定の人の行を全項目 | 対象者以外は残る |
| セル削除 | 特定の人の特定の項目 | 対象者以外は残る |
| データマスキング | 消さずに値の一部を伏せる | 列は残り一部は読める |
試験では「全員から列を消すのか」「特定の人を消すのか」を読み取れるかが問われます。 項目は列、レコードは人、と対応させて覚えます。