正解:エ
各選択肢の解説
ア年収の項目を、全員のデータから取り除く項目削除。
誤り。項目削除は、属性(表の列)をまるごと全件から消す手法です。特定に使われやすい 項目を確実に消せますが、年収の項目自体が分析から無くなるため、この場面の条件に合いません。
イ年収が極端に高い数名について、その人のデータを丸ごと除くレコード削除。
誤り。レコード削除は、特異な人の行を全項目まとめて消す手法です。突出した人が 特定される心配は無くなりますが、その数名のデータを分析に残すという条件を満たしません。
ウ外部に渡すファイルに、提供先を示す情報を埋め込んでおく電子透かし。
誤り。電子透かしは、データに見えにくい情報を埋め込み、流出元の追跡や改ざんの検知に 使う技術です。データの中身は変わらないので、本人が推測されるおそれは下がりません。
エ一定額を超える年収を「○○万円以上」とまとめるトップコーディング。
正解。トップコーディングは、極端に大きい値を上限の区分に丸める手法です。項目も その人のデータも残したまま、突出した値から本人が推測されることを防げます。
理解を深めるために
目立つ値だけを「上限の箱」にまとめる
100人の年収を並べたとき、1人だけ「1億円」とあれば、社内の人なら誰のことか見当がつきます。 そこで一定額を超える値を、たとえば「2,000万円以上」という1つの箱にまとめてしまうのが トップコーディングです。極端に小さい値を「○○以下」とまとめる場合は ボトムコーディングと呼びます(金額は説明のための例です)。
加工の手法は「何を、どこまで消すか」で分かれる
匿名加工では、データを表として見て、どこに手を入れるかで手法を選びます。
- 列ごと消す: 項目削除
- 特定の人の行ごと消す: レコード削除
- 特定の人の特定の項目(1マス)だけ消す: セル削除
- 値を消さずに丸める: トップ(ボトム)コーディング
消すほど安全側に寄りますが、分析に使える情報も減ります。「何を残したいか」という 条件が、手法を選ぶ決め手になります。
混同しやすいものとの違い
| 手法 | 何をするか | この場面の条件 |
|---|---|---|
| トップコーディング | 極端な値を上限の区分に丸める | 項目も人も残る |
| 項目削除 | 列を全件から消す | 年収の項目が無くなる |
| レコード削除 | 特定の人の行を消す | 数名のデータが無くなる |
| 電子透かし | 見えない情報を埋め込み追跡する | 推測のおそれは下がらない |
試験では、加工の目的(識別されにくくする)と、追跡や改ざん検知の技術を取り違えない ことと、条件として「残したいもの」を読み取ることが判断の軸になります。