正解:ア
各選択肢の解説
ア一定の年齢を下回る値を「○○歳以下」とまとめるボトムコーディングを行う。
正解。ボトムコーディングは、極端に小さい値を下限の区分にまとめる手法です。 個々の年齢は見えなくなりますが、年少の会員がいることは区分として分析に残せます。
イ一定の年齢を超える値を「○○歳以上」とまとめるトップコーディングを行う。
誤り。トップコーディングは、極端に大きい値を上限の区分にまとめる手法です。 まとめる向きが逆で、この場面で問題になっている小さい側の値はそのまま残るため、 年少の会員が推測されるおそれは下がりません。
ウ年少の会員それぞれについて、年齢の値だけを欠損にするセル削除を行う。
誤り。セル削除は、特定の人の特定の項目だけを消す手法で、推測のおそれは無くなります。 ただし年齢が空欄になるので、年少であることも分からなくなり、年少の会員がいることを 分析に残すという条件を満たしません。
エ全員の年齢を5歳刻みの区分に置き換え、年齢の細かさを一律に下げる。
誤り。全体を区分に置き換えても、10〜14歳の区分には年少の数名しか入らず、 区分から本人が推測されるおそれは残ります。しかも問題のない大多数の年齢まで 粗くなり、分析に使える情報が必要以上に減ります。
理解を深めるために
小さい側の端を「下限の箱」にまとめる
会員の年齢を並べたとき、ほとんどが20歳以上の中に12歳が1人いれば、クラブの関係者なら 誰のことか見当がつきます。そこで一定の年齢を下回る値を、たとえば「15歳以下」という 1つの箱にまとめてしまうのがボトムコーディングです(年齢と境界は説明のための例です)。 極端に大きい値を「○○以上」とまとめるトップコーディングと対になる手法で、 シラバスの用語例でも「トップ(ボトム)コーディング」と並べて書かれています。
なぜ「まとめる」なのか
個人情報保護委員会のガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)は、特に大きい 又は小さい数値をまとめる手法としてトップ(ボトム)コーディングを挙げています。 値を消すのではなく丸めるので、次のような違いが出ます。
- 消す手法(セル削除など): その値の情報はまったく残らない
- まとめる手法(ボトムコーディング): 「下限の区分に入る人がいる」ことは残る
- 全体を刻む手法: 端の区分が少数のままなら、推測のおそれが残りやすい
困っているのが端の少数の値だけなら、端だけを手当てするのが、分析への影響が最も小さい方法です。
混同しやすいものとの違い
| 加工 | 何をするか | この場面の条件 |
|---|---|---|
| ボトムコーディング | 極端に小さい値を下限の区分にまとめる | 年少の会員がいることは残る |
| トップコーディング | 極端に大きい値を上限の区分にまとめる | 小さい側の値が残る |
| セル削除 | 特定の人の特定の値を欠損にする | 年少であることも消える |
| 全体を5歳刻みにする | 全員の値を一律に区分へ置き換える | 端の区分は少数のまま |
試験では、問題になっている値が大きい側か小さい側か、そして値を消すのか丸めるのかを 問題文の「残したいもの」と照らし合わせると、手法を選び分けられます。