正解:ウ
各選択肢の解説
ア利用目的を社内に掲示して公表しておけば、本人の同意を得ずに申告書で取得できる。
誤り。これは一般の個人情報を取得するときのルールで、利用目的をあらかじめ公表していれば取得の都度の通知は要りません。 病歴は要配慮個人情報なので、公表に加えて取得そのものに本人の同意が要ります。 「どの種類の個人情報か」で取得の手続が変わる点を見落とさないことです。
イ病歴は要配慮個人情報なので、事業者が取得すること自体が法律で禁じられている。
誤り。要配慮個人情報は取得が禁止されているのではなく、原則として本人の同意を得て取得するという規律です。 「特別に配慮が要る」という名前から禁止と思い込みやすいのですが、支援制度のように必要な場面では 同意を得たうえで取り扱えます。
ウ病歴は要配慮個人情報なので、あらかじめ本人の同意を得たうえで取得する。
正解。病歴は要配慮個人情報で、法令に基づく場合などの例外を除き、取得にあらかじめ本人の同意が必要です。 申告書に利用目的を示し、同意の意思を確認する欄を設けるのが典型的な形です。
エ取得したあとで個人情報保護委員会に届け出れば、本人の同意を得なくても取得できる。
誤り。委員会への届出は、オプトアウトによる第三者提供で使う手続で、取得の手続ではありません。 しかも要配慮個人情報はオプトアウトによる提供の対象外です。 届出で同意を代えられるのは提供の場面に限られ、取得には使えません。
理解を深めるために
取得の入口で「同意」が要る特別な個人情報
ふつうの個人情報は、利用目的を公表または本人に通知しておけば、同意を取らずに取得できます。 ところが病歴のような情報は、知られることで不当な差別や偏見につながるおそれがあります。 そこで個人情報保護法は、これらを要配慮個人情報として区別し、取得の段階から本人の同意を求めています。
なぜそうなっているのか
- 要配慮個人情報は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などを含む個人情報として、法律と政令で列挙されている
- 取得には、法令に基づく場合や人の生命・身体の保護に必要で本人の同意を得るのが困難な場合などの例外を除き、あらかじめ本人の同意が必要
- 第三者提供でも、オプトアウト(届出と通知等で同意を省く方式)は使えない
この場面では、申告書に「何のために使うか」を示し、同意の確認欄を設けるのが実務の形です。 集めた後は、閲覧できる人を支援の担当者に絞るなど、安全管理措置も重ねて考えます。
混同しやすいものとの違い
| 手続 | 何のための手続か | 要配慮個人情報では |
|---|---|---|
| 取得時の本人の同意 | 要配慮個人情報を取得する入口 | 原則として必須 |
| 利用目的の公表・通知 | 一般の個人情報を取得するとき | これだけでは足りない |
| 委員会への届出(オプトアウト) | 同意なしの第三者提供 | 使えない |
| 取得の禁止 | 法律にこの規律は無い | 同意があれば取得できる |
試験では「公表だけで取得できる」という一般ルールを要配慮個人情報に当てはめる誤答がよく置かれます。 情報の種類を先に判定してから、手続を選びましょう。