問題 24★★★

総務部門は顔認証による入退室管理を導入する。認証装置には、従業員の顔画像から抽出した特徴量データだけを登録し、 氏名は別の人事システムで管理する。この特徴量データの扱いとして最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア氏名と同じシステムに置かない限り、特定の個人を識別できないので個人情報には当たらない。

    誤り。氏名と一緒に置いているかどうかで判断するのは、照合のしやすさだけを見た考え方です。 本人を認証できるように顔の特徴を変換した符号は、それ単体で個人識別符号に当たります。 置き場所を分けても、個人情報であることは変わりません。

  2. イ顔の特徴は身体に関する情報なので要配慮個人情報に当たり、取得に本人の同意が必要になる。

    誤り。要配慮個人情報は病歴や犯罪の経歴など、差別や偏見のおそれから法令で列挙された内容で、顔の特徴量は含まれません。 「身体の情報」という連想で取り違えやすい点です。 個人識別符号は識別のための符号、要配慮個人情報は配慮が要る内容と、軸が別です。

  3. ウ画像そのものを保存せず数値に変換しているので、匿名加工情報として扱える。

    誤り。匿名加工情報は、特定の個人を識別できず復元もできないよう、法定の基準で加工したものです。 特徴量は本人を照合して認証するためのデータなので、識別できなくする加工とは正反対の性質です。 数値になっていることと、識別できないことは別です。

  4. エ本人を認証できるよう顔の特徴を変換した符号なので、単体で個人識別符号として個人情報に当たる。

    正解。顔の特徴を変換し、本人を認証できるようにした符号は、政令が定める個人識別符号に当たります。 氏名と切り離していても、それだけで個人情報として安全管理措置などの義務がかかります。

理解を深めるために

それ自体が「本人の鍵」になるデータ

顔認証の特徴量データは、入口のカメラに映った顔と照らし合わせて「この人だ」と判定するためのものです。 つまり、氏名が付いていなくても、本人を見分ける役割そのものを持っています。 個人情報保護法は、このように単体で特定の個人を識別できる符号を個人識別符号と呼び、 それを含む情報を個人情報として扱います。

なぜそうなっているのか

個人識別符号は、政令で定めるものに限られ、大きく2つの型があります。

  • 身体の特徴を、コンピュータで使うために変換した符号(顔、指紋、虹彩、声紋、DNAなど)。本人を認証できるようにしたものが該当する
  • 個人ごとに割り当てられる公的な番号(旅券番号、運転免許証の番号、個人番号など)

個人情報の判定には「他の情報と容易に照合できるか」という軸もありますが、個人識別符号はそれとは別の入口です。 照合のしやすさを考えるまでもなく、符号を含んでいれば個人情報になります。 登録データを分けて保存するのは安全管理措置として有効でも、個人情報でなくする手段にはなりません。

混同しやすいものとの違い

用語 何で決まるか 顔の特徴量データは
個人識別符号 単体で本人を識別できる符号か(政令で限定) 当たる
容易照合性による個人情報 他の情報と容易に照合できるか 判定するまでもなく個人情報
要配慮個人情報 差別・偏見のおそれがある内容か 当たらない
匿名加工情報 識別できず復元できないよう加工したか 当たらない

「氏名がない」「数値になっている」は、個人情報でないと思い込ませる典型的な条件です。 その情報が本人を見分ける働きを持っているかで判断しましょう。

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