問題 26★★★

A社は、従業員の個人番号を含む源泉徴収票の作成事務をB社に委託している。B社から「入力作業だけをC社に再委託したい」と 連絡があった。A社の担当者の対応として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア再委託はB社の裁量なので、B社がC社を監督していれば、A社は事後に報告を受ければよい。

    誤り。個人情報保護法の一般の委託では、再委託に委託元の許諾を求める条文がないため、同じ感覚で考えた誤りです。 個人番号を扱う事務の再委託は、最初の委託者の許諾がなければできないと番号法が定めています。 事後の報告では、許諾を得たことになりません。

  2. イ再委託には最初の委託者であるA社の許諾が必要なので、C社の安全管理措置を確認したうえで許諾の可否を判断する。

    正解。番号法では、個人番号関係事務の再委託は最初の委託者の許諾を得た場合に限られます。 A社は、C社が番号法に沿った安全管理措置を講じられるかを確かめてから判断します。

  3. ウ再委託には個人情報保護委員会の許可が必要なので、B社に委員会への申請を指示する。

    誤り。再委託に委員会の許可や届出の手続はありません。 委員会が番号法を所管しているので、手続も委員会と結び付けやすい点が混同の原因です。 許諾を与えるのは、委員会ではなく最初の委託者です。

  4. エ再委託には従業員本人の同意が必要なので、A社が全従業員から同意書を集める。

    誤り。番号法の再委託の要件は本人の同意ではなく、最初の委託者の許諾です。 本人の同意で何でも可能になると考えがちですが、個人番号は同意があっても法定の範囲を超えて扱えない仕組みで、 再委託の可否も委託者が判断して守ります。

理解を深めるために

個人番号の再委託は「最初の委託者」が鍵を握る

個人番号(マイナンバー)を含む個人情報を特定個人情報と呼び、その取扱いはマイナンバー法 (行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が、 個人情報保護法より厳しく定めています。再委託もその一つです。 委託先がさらに別の会社に作業を出すときは、最初の委託者の許諾がなければなりません。

なぜそうなっているのか

  • 番号法は、個人番号関係事務の委託を受けた者は、委託をした者の許諾を得た場合に限り再委託できると定めている
  • 再委託先がさらに再委託するときも、最初の委託者の許諾が要る。何段階になっても、最初の委託者が把握できる仕組み
  • 委託者は、委託先が番号法に基づいて自ら果たすべき安全管理措置と同等の措置を講じるよう、必要かつ適切な監督を行う。再委託先も間接的にその監督の対象になる

詳しい運用は、個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」(事業者編)に示されています。 委託先から再委託の相談が来たら、再委託先の安全管理の体制を確認し、許諾するかを委託者自身が判断します。

混同しやすいものとの違い

誰が何をするか 番号法の再委託では 正誤
最初の委託者の許諾 再委託の要件 正しい
委託先の裁量と事後報告 許諾の代わりにならない 誤り
個人情報保護委員会の許可 そのような手続はない 誤り
本人の同意 再委託の要件ではない 誤り

試験では、一般の個人データの委託と同じ感覚で考えさせる誤答が置かれます。 個人番号が絡んだら「最初の委託者の許諾」を思い出しましょう。

前の問題へ次の問題へ