正解:エ
各選択肢の解説
ア亡くなった元会員の氏名と購入履歴の一覧で、遺族に関する記載は無いもの。
誤り。個人情報は「生存する個人」に関する情報なので、亡くなった人の情報は原則として当たりません。 氏名が載っているので当たると考えがちですが、その情報が同時に遺族など生きている人の情報にもなる場合に限り、 その人の個人情報として扱います。
イ取引先企業の名称・所在地・資本金だけを並べた、法人の情報の一覧。
誤り。法人そのものの情報は、個人に関する情報ではないので個人情報に当たりません。 「取引先の情報=守るべき情報」なので混同しやすいのですが、営業秘密などとして守るかは別の話です。 担当者の氏名や役員名が載っていれば、その部分は個人情報になります。
ウ来店者数を年代別・地域別に集計しただけで、個々の人に戻せない統計表。
誤り。複数人の情報を項目ごとに集計した統計情報は、特定の個人との対応が切れている限り、 個人に関する情報に当たりません。元は個人の来店記録なので当たると思いがちですが、 集計後の表から「誰か」をたどれるかで判断します。
エ氏名は無いが、部内で使う社員名簿と社員番号で照合できる残業時間の一覧。
正解。それ単体で誰か分からなくても、事業者が通常の業務で他の情報と容易に照合して 特定の個人を識別できるなら個人情報です。氏名の有無ではなく、照合して誰か分かるかで決まります。
理解を深めるために
個人情報は「生きている人」と「誰か分かるか」の2つで決まる
個人情報保護法の個人情報は、生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるものです。 名簿のように氏名が書いてあるものだけを指すわけではありません。社員番号だけの一覧でも、 同じ部門の中に番号と氏名の対応表があり、いつもの業務の中で突き合わせられるなら、 その一覧は「誰の残業時間か」が分かる情報です。
なぜ照合できるだけで個人情報になるのか
法律は、他の情報と容易に照合でき、それによって特定の個人を識別できるものも個人情報に含めています。 氏名を外しただけで規制から外れるなら、対応表を別ファイルに分けるだけで保護を逃れられてしまうからです。 棚卸しでは、次の順で確かめると判断がぶれません。
- 生きている個人の情報か(亡くなった人、法人そのもの、集計済みの統計は原則として外れる)
- そのデータ単体で、または社内で容易に照合できる情報と合わせて、誰か分かるか
- 個人識別符号(旅券番号やマイナンバーなど)を含むか
なお、容易に照合できるかは事業者ごとの実態で判断します。規程と運用で照合が厳格に禁じられ、 通常の業務では突き合わせられない状態であれば、結論が変わることがあります。
混同しやすいものとの違い
| データ | 個人情報か | 理由 |
|---|---|---|
| 社員番号と残業時間(名簿と照合できる) | 当たる | 容易に照合して誰か分かる |
| 亡くなった元会員の一覧 | 原則当たらない | 生存する個人の情報ではない |
| 取引先企業の名称・所在地 | 当たらない | 法人の情報で個人に関する情報ではない |
| 年代別・地域別の集計表 | 当たらない | 個人との対応が切れた統計情報 |
試験では、氏名があるかではなく「生存しているか」「照合すれば誰か分かるか」で選ぶ問題が出ます。 亡くなった人の情報は、遺族の情報にもなる場合だけ例外になる点も押さえておきましょう。