問題 67★★☆

社外から社内システムへのリモート接続は、通信をVPNで暗号化し、利用者のIDとパスワードで 認証していたが、私物のPCからも接続できた。そこで会社が発行した電子証明書を入れた 支給端末からだけ接続を認めるようにした。この見直しで新たに確保した特性として、 最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア真正性

    正解。真正性は、利用者や機器が主張どおりの本物であることです。電子証明書で、接続して くる端末が会社の支給した端末そのものかを確かめるようにしたので、端末についての 真正性が加わりました。

  2. イ機密性

    誤り。機密性は、許可された者だけが情報を見られることで、通信の暗号化がその代表的な 手段です。VPNによる暗号化は見直しの前から行われていました。今回加えたのは、 相手の端末が本物かどうかの確認です。

  3. ウ責任追跡性

    誤り。責任追跡性は、操作をした利用者まで一意にたどれることで、個別のIDと操作ログで 確保します。今回の見直しは記録の残し方を変えておらず、誰の操作かをたどる仕組みでは なく、つないでくる端末を見分ける仕組みです。

  4. エ可用性

    誤り。可用性は、使いたいときに使える状態を保つことで、冗長化やバックアップで確保します。 接続できる端末を絞る今回の見直しは、むしろ使える場面を減らす方向です。 守りを強めると使いやすさが下がる関係の、下がる側にあたります。

理解を深めるために

「本物か」を確かめるのが真正性

受付で社員証を見せてもらうのは、その人が名乗るとおりの社員かどうかを確かめるためです。 真正性は、この「名乗るとおりの本物か」を守る特性で、人だけでなく機器やデータにも当てはまります。

見直し前は、IDとパスワードで「利用者が本人か」は確かめていましたが、「どの端末から つないでいるか」は確かめていませんでした。そのため、私物のPCや、ウイルス対策が 不十分な端末からでも接続できました。会社が発行した電子証明書を支給端末に入れ、 接続時にそれを確認すれば、端末が会社の支給端末そのものかを確かめられます。

3要素に加わる特性の中で、どこに当たるか

  • 機密性・完全性・可用性: 情報そのものを守る基本の3要素
  • 真正性: 利用者・機器・データが本物か(認証、電子証明書)
  • 責任追跡性: 誰の操作かをたどれるか(個別ID、操作ログ)

今回すでにあった対策(VPNの暗号化、IDとパスワード)と、新たに加えた対策 (端末の電子証明書)を分けて読むと、加わった特性が見えてきます。

混同しやすいものとの違い

特性 問いかけ 代表的な手段
真正性 主張どおりの本物か 認証、電子証明書
機密性 許可された者だけが見られるか 暗号化、アクセス制御
責任追跡性 誰の操作かをたどれるか 個別ID、操作ログ
可用性 使いたいときに使えるか 冗長化、バックアップ

場面の中に「前からあった対策」が書かれているときは、それを除いた差分が問われています。

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