正解:エ
各選択肢の解説
アVPNの暗号化方式を、より強固なものに変更する。
誤り。これは通信の途中で読み取られる盗聴への対策です。社外で情報が漏れたので 通信路を疑いがちですが、画面は端末の中で復号された後の表示なので、 暗号化をいくら強くしても画面を見る目は防げません。
イ公衆無線LANをやめ、スマートフォンのテザリングで接続させる。
誤り。これも公衆無線LAN上での盗聴や偽のアクセスポイントへの対策です。 カフェという場所から無線LANを疑いがちですが、回線を替えても 画面の表示はそのままなので、背後からの撮影は防げません。
ウ端末にウイルス対策ソフトを入れ、定義ファイルを最新に保つ。
誤り。これはスパイウェアなど、端末の中から情報を盗むマルウェアへの対策です。 画面の画像が出回ると画面を盗むマルウェアを疑いがちですが、感染の形跡はなく、 撮影位置からも人の目とカメラによるものです。
エのぞき見防止フィルタを付け、背後に人が来ない席で作業させる。
正解。原因は画面の盗み見(ショルダーハッキング)で、通信や端末の仕組みの 外側で起きています。画面を横や後ろから見えにくくし、見られる位置に 人がいない環境で作業させるのが直接の対策です。
理解を深めるために
鍵のかかった手紙も、読んでいる最中は丸見え
封筒に入れて鍵付きの箱で送った手紙でも、受け取った人が電車の中で広げて読めば、 隣の人には中身が見えます。盗み見は、情報が人の目に触れる最後の場面、 つまり画面や紙の表示を直接見て読み取る脅威です。
VPNが守るのは通信の途中だけ
VPNは、端末と社内の間の通信を暗号化して、途中での盗聴を防ぎます。 しかし、データは端末の中で復号されて画面に表示されます。表示された時点で、 暗号化は役目を終えています。そのため、次のような対策が別に要ります。
- のぞき見防止フィルタで、正面以外から画面を見えにくくする
- 壁を背にする、背後に人が来ない席を選ぶなど、作業する場所を選ぶ
- 顧客一覧のような機密性の高い情報は、社外では開かない運用にする
- 席を離れるときは画面をロックする
盗み見は技術ではなく人の行動の隙を突くので、ソーシャルエンジニアリングの 一種として扱われます。技術的な対策を重ねても、表示する場所の管理が抜けていれば 防げません。
混同しやすいものとの違い
| 脅威 | 読み取られる場所 | 対策 |
|---|---|---|
| 盗み見 | 画面・紙の表示 | のぞき見防止フィルタ、作業場所の選択 |
| 盗聴 | 通信の途中 | 暗号化(VPN・TLS) |
| スパイウェア | 端末の中 | ウイルス対策ソフト、修正プログラムの適用 |
情報がどこで読み取られたかを手掛かりの「背後の席」「感染の形跡なし」から絞り、 その場所に効く対策を選びます。