問題 24★★★

情報システム部門は、社外から業務システムを使うためのリモートアクセスサービスを 社員に提供している。VPN装置の稼働率は毎月99.9%を超えているが、多要素認証の 認証サーバが止まり、社員が接続できない時間が繰り返し生じた。利用部門とSLAを 見直すときの可用性の測り方として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アVPN装置の稼働率を、今より高い目標値に引き上げて測る。

    誤り。VPN装置は目標を満たしているのに社員は接続できていません。装置1台の稼働率を いくら上げても、認証サーバが止まった時間は数字に表れません。測る対象が装置で、 利用者が使えるかどうかではない点が問題です。

  2. イ利用者から寄せられた障害の件数を数え、月の上限を目標にする。

    誤り。件数では、1件が5分で終わったのか半日続いたのかが分かりません。障害が長引けば 件数は少なくても使えない時間は長くなります。可用性は、使えた時間の割合で見ます。

  3. ウ機器ごとのCPU使用率を監視し、そのしきい値を目標にする。

    誤り。CPU使用率は、資源が足りているかを見る提供者の内部の指標です。障害の予兆を つかむのには役立ちますが、利用者が接続できたかどうかは表しません。SLAに載せる 水準とは目的が違います。

  4. エ社員が認証を通って業務システムまで接続できた時間の割合で測る。

    正解。利用者が受け取っているのは「社外から業務システムを使える」というサービスです。 その状態で測れば、VPN装置でも認証サーバでも、どこが止まっても数字に表れます。

理解を深めるために

サービスの可用性は「利用者が使えたか」で測る

電車の運行で、車両がすべて正常でも信号が故障していれば乗客は目的地に着けません。 乗客から見た「電車が使えたか」は、車両1台ずつの調子では測れません。 ITサービスも同じで、利用者が受け取っているのは機器ではなく、業務ができる状態です。

なぜ装置の稼働率では足りないのか

リモートアクセスサービスは、いくつもの構成要素がそろって初めて使えます。

  • VPN装置で社内のネットワークにつなぐ
  • 認証サーバで本人を確かめる(多要素認証)
  • その先の業務システムに届く

どれか1つが止まれば、社員は業務ができません。VPN装置だけを測っていると、 数字は99.9%を超えているのに、利用者は使えないというずれが起きます。 サービスマネジメントは、顧客と合意した水準でサービスを提供し続けるための活動なので、 SLAの目標も顧客が受け取る価値の側で決めます。認証のようなセキュリティの仕組みも サービスの一部で、止まれば可用性を損ないます。

混同しやすい指標との違い

指標 何を表すか SLAの可用性の目標に向くか
業務システムまで接続できた時間の割合 利用者がサービスを使えた度合い 向く
VPN装置の稼働率 構成要素1つが動いていた度合い 他の要素の停止が表れない
障害の件数 起きた回数 停止の長さが表れない
CPU使用率 資源の余裕(提供者の内部の指標) 利用者が使えたかを表さない

「誰から見た数字か」を問われたら、利用者が業務を行えたかどうかで測っているものを選びます。

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