正解:ア
各選択肢の解説
ア社内の部門が相手でも、提供するサービスと水準を合意して文書にする。
正解。SLAは、サービスの提供者と顧客の間で水準を合意する文書です。顧客は社外とは 限らず、社内の部門でも同じです。合意がなければ、復元に半日かかったときに 期待どおりだったのかを判断できません。
イSLAは外部の事業者と結ぶ契約なので、社内の部門とは結ばない。
誤り。クラウドなど外部の事業者のSLAを目にすることが多いため、社外との契約だと 思われがちです。SLAで大事なのは提供者と顧客の関係で、会社の内か外かではありません。 社内の情報システム部門も、利用部門に対してはサービスの提供者です。
ウ社内の部門間の取決めはOLAと呼び、営業部とのSLAにはならない。
誤り。OLA(運用レベル合意)は、提供者の内側でサービスを支える部門どうしの取決めです。 たとえば情報システム部門とネットワーク運用の担当チームの間で結びます。営業部は サービスを受け取る顧客なので、結ぶのはSLAです。
エ社内向けにはサービスカタログを公開すれば足り、合意は要らない。
誤り。サービスカタログは、提供中のサービスの内容や申込み方法を知らせる案内です。 提供者が一方的に示すもので、顧客と水準を合意したことにはなりません。案内と合意は 役割が別で、どちらかで他方の代わりはできません。
理解を深めるために
SLAは「提供者と顧客」の取決めで、社内か社外かは関係ない
社員食堂を運営する総務部が、各部門と「昼休みの何時まで営業するか」を決めておく場面を 考えます。同じ会社の中でも、提供する側と受け取る側がいる限り、 何をどの水準で提供するかを決めておかないと、期待のずれが起きます。 SLA(サービスレベル合意書)は、まさにこの提供者と顧客の間の合意です。
なぜ社内でもSLAを結ぶのか
サービスマネジメントは、顧客と合意した水準でサービスを提供し続けるための活動です。 合意が無いと、次のことが決まりません。
- 何を提供するか: ファイル共有の容量、利用できる時間帯
- どの水準か: 誤って削除したファイルを何時間以内に復元できるか
- 外れたらどうするか: 実績の報告と改善の話合い
ファイルの復元は、誤操作だけでなくランサムウェアの被害からの立ち直りにも関わります。 情報の可用性を守る観点からも、社内の利用部門と水準を合意しておく意味があります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 誰と誰の間か | 役割 |
|---|---|---|
| SLA | 提供者と顧客(社内の部門も含む) | サービスの水準を合意する |
| OLA | 提供者の内側で支える部門どうし | SLAを守るための内部の取決め |
| サービスカタログ | 提供者から利用者へ | 提供中のサービスを知らせる案内 |
| 外部の事業者とのSLA | 外部の事業者と自社 | 自社が顧客の立場になる場合のSLA |
SLAかOLAかを問われたら、相手がサービスを「受け取る顧客」か「提供を支える内部の部門」かで見分けます。