問題 34★★☆

E社は受注管理システムの要件定義を進めており、関係者の要望を次のように整理した。 このうち、機能要件に当たるものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア受注は営業部が受け付け、出荷の前に経理部が取引先の与信枠を確認する。

    誤り。これは業務要件です。どの部署が、どの順で、何をするかという業務の流れを 定めたもので、システムがなくても成り立つ決まりごとです。業務要件を満たすために システムに何をさせるかを決めたものが機能要件です。

  2. イ月末の繁忙時に200人が同時に使っても、画面の応答を3秒以内に保つ。

    誤り。これは非機能要件です。何をするかではなく、どれくらいの速さや量に耐えるかという 性能を定めています。同じ画面の話でも、「何を表示するか」なら機能要件、 「どれだけ速く表示するか」なら非機能要件と切り分けます。

  3. ウ新しいシステムの稼働開始は来年4月とし、開発費用は3千万円以内とする。

    誤り。これは納期と予算という、プロジェクトを進めるうえでの制約条件です。 システム化計画で見通しを立て、要件定義でも前提として扱いますが、 システムが持つべき機能や性能を定めたものではないため、要件の種類には当たりません。

  4. エ受注の入力時に取引先コードを入れると、取引先名と与信の残額を画面に表示する。

    正解。システムが何を受け取り、何を処理して、何を返すかという「働き」を定めています。 業務の流れを支えるためにシステムに持たせる機能なので、機能要件です。

理解を深めるために

「業務の決まり」と「システムの働き」を分ける

レストランで考えると、「注文は店員が聞き、料理長が確認してから調理する」は店の仕事の決まりです。 これが業務要件にあたります。そのうえで「注文端末に料理名を入れたら、在庫切れの食材を知らせる」と 道具にさせることを決めたものが機能要件です。「混雑時でも1秒で反応する」は非機能要件になります。

なぜ段階を分けて決めるのか

要件定義は、次の順に具体化していくのが基本です。

  • 業務要件定義 — 誰が、どの順で、何をするかという業務のあるべき流れを決める
  • 機能要件定義 — その業務を支えるため、システムが何を入力し、処理し、出力するかを決める
  • 非機能要件定義 — 性能、可用性、セキュリティなど、機能をどの程度の質で提供するかを決める

業務の流れが固まらないうちに機能を決めると、使われない画面ができたり、 必要な処理が抜けたりします。機能は業務を支えるための手段なので、業務要件が先になります。

混同しやすいものとの違い

分類 定めるもの E社の例
業務要件 業務の流れ、役割分担 営業部が受け付け、経理部が与信を確認
機能要件 システムの働き(入力・処理・出力) コード入力で取引先名と与信残額を表示
非機能要件 性能、可用性などの質 200人同時利用で応答3秒以内
制約条件 納期、予算など 来年4月稼働、3千万円以内

「システムが〜する」と主語がシステムで、何を表示・計算・登録するかを書いていれば機能要件です。 数値で速さや量を指定していれば非機能要件と見分けます。

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