問題 57★★☆

受注業務のシステム化に向けた要件定義で、顧客から届いた注文データが どの処理を経て、どのファイルに蓄えられ、どこへ渡るかを図に表したい。 処理の順序や条件による分岐は描かず、データの流れだけを示す手法はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アE-R図

    誤り。E-R図は、顧客・注文・商品といったデータのまとまりと その関連を表す図です。データを扱う点は同じですが、示すのは構造で、 データがどの処理を通って動くかという流れは描きません。

  2. イフローチャート

    誤り。フローチャートは、処理の手順を順序どおりに並べ、 条件による分岐や繰返しまで描く図です。処理を描く点は似ていますが、 問題文が描かないとした「順序や分岐」こそが中心になります。

  3. ウUMLのユースケース図

    誤り。ユースケース図は、利用者などのアクターがシステムを使って 何をするかという機能の範囲を表す図です。要件定義で使う点は同じですが、 データがどこへ流れて蓄えられるかは描きません。

  4. エDFD

    正解。DFDはデータの発生源と行き先、処理、データの蓄積場所を 矢印のデータの流れでつなぐ図です。処理の順序や分岐は表さず、 データの動きだけに絞って業務を描けます。

理解を深めるために

データの「通り道」を描く地図

DFD(Data Flow Diagram)は、業務の中でデータがどこから来て、 どこで加工され、どこにしまわれ、どこへ出ていくかを描く図です。 道路地図のようにデータの通り道だけを示し、 「先にこれ、次にこれ」という手順や「もし〜なら」という分岐は描きません。

4つの記号で描く

  • 外部実体:データの発生源や行き先(顧客、取引先など)
  • プロセス:データを受け取って加工する処理(受注登録、在庫引当など)
  • データストア:データを蓄える場所(受注ファイル、在庫ファイルなど)
  • データフロー:これらをつなぐ矢印。データの流れる向きを示す

順序を描かないので、細部の手順が決まっていない要件定義の段階でも、 業務全体のデータの動きを利用部門と一緒に確かめるのに向いています。

混同しやすい図との違い

手法 描くもの
DFD データの流れ(発生源・処理・蓄積・行き先)
E-R図 データのまとまり(エンティティ)とその関連
フローチャート 処理の順序、条件分岐、繰返し
ユースケース図(UML) アクターとシステムの機能の範囲

試験では「データの流れ」とあればDFD、「データ同士の関係」ならE-R図、 「処理の手順や分岐」ならフローチャート、「利用者とシステムの機能」ならユースケース図です。

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