問題 31★★☆

家具メーカーE社は、新しいブランドを立ち上げるにあたり、 「飽きがこず、長く使える道具として顧客に思い浮かべてもらう」という 目指す姿を言葉にして定め、ロゴや商品設計の拠り所にした。 E社が定めたものを表す言葉はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アブランドイメージ

    誤り。顧客がそのブランドに対して実際に抱いている印象のことです。 言葉が似ていますが、こちらは顧客の側に結果としてできあがるもので、 企業が事前に「定める」ことはできません。設問は企業が目指す姿を定めた場面です。

  2. イブランドエクイティ

    誤り。知名度や信頼の積み重ねによって、ブランドの名前そのものがもつ 資産としての価値のことです。長年の活動の結果として蓄積されるものであり、 立ち上げの時点で言葉にして定める「目指す姿」とは別のものです。

  3. ウブランドロイヤルティ

    誤り。顧客が特定のブランドに愛着をもち、繰り返し選び続ける度合いのことです。 顧客の行動や気持ちの強さを表す言葉であり、 企業が定めるブランドの設計図にあたるものではありません。

  4. エブランドアイデンティティ

    正解。自社のブランドを顧客にどう認識してほしいかを、企業の側が定めたものです。 ロゴ、商品設計、広告の表現などをそろえるときの拠り所になるので、 ブランドづくりの設計図にあたります。

理解を深めるために

「こう見られたい」と「こう見られている」は別のもの

自己紹介で「私は慎重な人間です」と言うのは、本人が決められます。 けれども、周りが実際にどう思っているかは、本人には決められません。

ブランドも同じです。企業が「こう認識してほしい」と定めた姿が ブランドアイデンティティで、顧客が実際に抱いている印象がブランドイメージです。 前者は送り手の側、後者は受け手の側にあります。

設計図があるから、表現がそろう

ブランドアイデンティティを先に言葉にしておくと、次のような判断の拠り所になります。

  • ロゴや色づかいをどうするか
  • どんな商品を出し、どんな商品は出さないか
  • 広告でどんな言葉づかいをするか

拠り所がないと、担当者や時期によって表現がばらばらになり、 顧客の中に一つのまとまった印象が残りません。 ブランディングとは、定めたアイデンティティと顧客が抱くイメージとの差を 埋めていく活動だと言えます。

混同しやすいものとの違い

用語 何を表すか どちらの側のものか
ブランドアイデンティティ 顧客にどう認識してほしいかを定めた姿 企業(送り手)
ブランドイメージ 顧客が実際に抱いている印象 顧客(受け手)
ブランドロイヤルティ ブランドへの愛着、選び続ける度合い 顧客(受け手)
ブランドエクイティ ブランドの名前がもつ資産としての価値 活動の結果として蓄積

試験では「企業が定める」「目指す姿」とあればブランドアイデンティティ、 「顧客が抱く」「印象」とあればブランドイメージと見分けます。 主語が企業か顧客かを確かめるのが近道です。

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