問題 32★★★

飲料メーカーF社は、茶系飲料のブランドXを販売している。 F社が検討している次の取組のうち、マルチブランド戦略に該当するものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アブランドXの名前を使って、新たにスキンケア化粧品の市場へ参入する。

    誤り。これはブランド拡張です。すでに知られているブランド名を、 別の種類の商品に広げています。ブランドの数は増えておらず、 名前は一つのまま市場のほうが変わっている点がマルチブランド戦略と違います。

  2. イ茶系飲料の市場に、健康志向の層を狙った別名のブランドYを投入する。

    正解。同じ茶系飲料の市場に、ブランドXとは別の名前のブランドを並べています。 同じ市場に複数のブランドを持ち、ブランドごとに違う客層を押さえにいくのが マルチブランド戦略です。

  3. ウブランドXの茶系飲料に、新しい味と容量が異なる商品を追加する。

    誤り。これはライン拡張です。同じ市場で商品の種類を増やす点は似ていますが、 名前はブランドXのままです。品ぞろえが増えても、 ブランドが増えていなければマルチブランド戦略にはあたりません。

  4. エ小売業者の依頼を受け、その小売業者のブランド名で茶系飲料を製造する。

    誤り。これは小売業者のプライベートブランド商品を、F社が製造して供給する形です。 茶系飲料のブランドが一つ増えるように見えますが、 そのブランドを持つのは小売業者であり、F社のブランドが増えるわけではありません。

理解を深めるために

同じ売り場に、同じ会社の別の名前を並べる

洗剤やシャンプーの売り場を見ると、名前も見た目もまったく違う商品が、 実は同じメーカーのものだということがよくあります。 同じ市場に自社のブランドを複数並べ、それぞれに違う客層を担当させるのが マルチブランド戦略です。

一つのブランドで「手頃な価格」と「高級感」の両方を訴えると、印象がぼやけます。 名前を分ければ、それぞれの客層に合わせたはっきりした訴え方ができ、 売り場の棚を自社の商品で広く占められるという利点もあります。

その代わり、広告費などの経営資源がブランドごとに分散します。 また、自社のブランドどうしで客を奪い合うおそれもあります。

「名前」と「市場」の二つで見分ける

ブランドの広げ方は、名前が既存か新規か、市場が既存か新規かで整理できます。

取組 ブランドの名前 市場(商品の種類)
マルチブランド戦略 新しい名前 今と同じ
ライン拡張 今と同じ 今と同じ
ブランド拡張 今と同じ 新しい

設問の選択肢に当てはめると、味や容量を増やすのは名前も市場もそのままなのでライン拡張、 化粧品に進出するのは名前をそのまま新しい市場に持ち込むのでブランド拡張です。

プライベートブランドは、小売業者や卸売業者が自ら企画して自分の名前で売る商品です。 メーカーは製造を請け負うだけで、ブランドの持ち主にはなりません。

試験では「同じ市場」「別の名前」「複数のブランド」がそろっていれば、 マルチブランド戦略と判断できます。

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