正解:ウ
各選択肢の解説
ア他の日の値から大きく離れているので誤りとみなし、分析の対象から削除する。
誤り。値が離れていることと、値が誤っていることは別です。入力ミスのような異常値なら 除外や修正を考えますが、この値は事実を正しく記録しています。原因を確かめずに外れ値を 機械的に消すと、大口の注文があったという事実まで失います。
イ値が抜けていた場合と同じように、他の日の平均値で置き換えてから分析する。
誤り。これは欠損値の処理で使う補完の方法です。どちらも「そのままでは扱いにくい値」 なので同じ手当てをしがちですが、欠損値はもともと値が無いものです。正しく記録された値を 平均値で上書きすると、実際に起きた売上をなかったことにしてしまいます。
ウ正しい記録なので残したうえで、分析の目的に応じて通常の日と分けて扱う。
正解。誤りではない外れ値は消さずに残します。日々の来店客の傾向を見たいなら大口注文を 分けて扱い、年間の売上を見たいならそのまま含める、というように目的で扱いを決めます。
エ入力を誤ったものとして扱い、他の日と同程度の値になるように訂正する。
誤り。訂正は、入力ミスなど誤りと分かった異常値に対して行う処理です。今回は調べた結果、 正しい記録だと分かっています。誤りでない値を書き換えるのはデータの改ざんに当たり、 分析結果の信頼を失います。誤りかどうかを確かめてから処理を選びます。
理解を深めるために
「離れている」と「間違っている」は別の話
クラスの身長を測ったら、1人だけ190cmの生徒がいたとします。平均から大きく離れていますが、 測り間違いでなければ事実です。これを消したら、そのクラスの正しい姿は分からなくなります。 データ分析でも、外れ値はまず原因を確かめるのが出発点です。
3つの値と処理の考え方
- 外れ値 … 他の値から大きく離れた値。正しい記録のこともあれば誤りのこともある。原因を調べてから扱いを決める
- 異常値 … 入力ミスや機器の故障など、誤りと分かった値。訂正できるなら訂正し、できなければ除外する
- 欠損値 … 記録が抜けていて値そのものが無い。除外するか、平均値などで補うかを選ぶ
今回の大口注文は「正しい外れ値」です。残したうえで、何を知りたいかで扱いを分けます。 日々の客足の傾向を見るなら通常の日と分け、年間の売上合計を見るならそのまま含めます。
混同しやすい処理との違い
| 処理 | 対象 | 今回の値に使うと |
|---|---|---|
| 残して目的に応じて分ける | 正しい外れ値 | 事実を保ったまま分析できる |
| 削除 | 原因不明のまま除く外れ値 | 大口注文という事実が消える |
| 平均値での補完 | 欠損値 | 実際の売上を上書きしてしまう |
| 訂正 | 誤りと分かった異常値 | 正しい値の改ざんになる |
試験では、値の「正誤が分かっているか」「値が存在するか」が問題文に書かれます。 そこを読み取れば、削除・補完・訂正・保持のどれを選ぶかが決まります。