問題 37★★★

店舗の日別売上データを分析していたところ、ある1日だけ他の日の約10倍の売上があった。 調べると、法人からの大口注文による正しい記録だった。この値の扱いとして最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア他の日の値から大きく離れているので誤りとみなし、分析の対象から削除する。

    誤り。値が離れていることと、値が誤っていることは別です。入力ミスのような異常値なら 除外や修正を考えますが、この値は事実を正しく記録しています。原因を確かめずに外れ値を 機械的に消すと、大口の注文があったという事実まで失います。

  2. イ値が抜けていた場合と同じように、他の日の平均値で置き換えてから分析する。

    誤り。これは欠損値の処理で使う補完の方法です。どちらも「そのままでは扱いにくい値」 なので同じ手当てをしがちですが、欠損値はもともと値が無いものです。正しく記録された値を 平均値で上書きすると、実際に起きた売上をなかったことにしてしまいます。

  3. ウ正しい記録なので残したうえで、分析の目的に応じて通常の日と分けて扱う。

    正解。誤りではない外れ値は消さずに残します。日々の来店客の傾向を見たいなら大口注文を 分けて扱い、年間の売上を見たいならそのまま含める、というように目的で扱いを決めます。

  4. エ入力を誤ったものとして扱い、他の日と同程度の値になるように訂正する。

    誤り。訂正は、入力ミスなど誤りと分かった異常値に対して行う処理です。今回は調べた結果、 正しい記録だと分かっています。誤りでない値を書き換えるのはデータの改ざんに当たり、 分析結果の信頼を失います。誤りかどうかを確かめてから処理を選びます。

理解を深めるために

「離れている」と「間違っている」は別の話

クラスの身長を測ったら、1人だけ190cmの生徒がいたとします。平均から大きく離れていますが、 測り間違いでなければ事実です。これを消したら、そのクラスの正しい姿は分からなくなります。 データ分析でも、外れ値はまず原因を確かめるのが出発点です。

3つの値と処理の考え方

  • 外れ値 … 他の値から大きく離れた値。正しい記録のこともあれば誤りのこともある。原因を調べてから扱いを決める
  • 異常値 … 入力ミスや機器の故障など、誤りと分かった値。訂正できるなら訂正し、できなければ除外する
  • 欠損値 … 記録が抜けていて値そのものが無い。除外するか、平均値などで補うかを選ぶ

今回の大口注文は「正しい外れ値」です。残したうえで、何を知りたいかで扱いを分けます。 日々の客足の傾向を見るなら通常の日と分け、年間の売上合計を見るならそのまま含めます。

混同しやすい処理との違い

処理 対象 今回の値に使うと
残して目的に応じて分ける 正しい外れ値 事実を保ったまま分析できる
削除 原因不明のまま除く外れ値 大口注文という事実が消える
平均値での補完 欠損値 実際の売上を上書きしてしまう
訂正 誤りと分かった異常値 正しい値の改ざんになる

試験では、値の「正誤が分かっているか」「値が存在するか」が問題文に書かれます。 そこを読み取れば、削除・補完・訂正・保持のどれを選ぶかが決まります。

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