問題 44★★☆

毎年夏に売上が大きく伸びる飲料メーカーで、月次売上の「季節調整済みの値」が 前月より増えていた。この結果の読み取りとして、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア毎年この時期は売上が伸びる月なので、例年どおりの季節的な増加が起きている。

    誤り。これは季節調整をする前の、元の値(原系列)を見たときの解釈です。 季節調整済みの値は、例年どおりの季節的な増減をあらかじめ取り除いた値なので、 「例年どおり伸びただけ」なら前月より増えることはありません。

  2. イ前年の同じ月の売上と比べて、今年の売上が増えている。

    誤り。これは前年同月比の読み取りです。前年同月比も季節の影響を避ける方法なので 混同しやすいのですが、比べる相手が「1年前の同じ月」です。 季節調整済みの値は季節要因を除いたうえで、隣の月どうしを比べられるようにしたものです。

  3. ウ例年の季節的な動きを取り除いても、売上が前月より増えている。

    正解。季節調整は、毎年同じ時期に繰り返す増減を推定して取り除く処理です。 その値が前月より増えたなら、季節のせいではない実質的な伸びがあったと読めます。

  4. エ直近数か月の売上を平均した値が、前月時点の平均より増えている。

    誤り。これは移動平均の読み取りです。移動平均も月ごとのでこぼこをならすので 似て見えますが、一定の区間の平均を取るだけで、 「毎年この月は高い」という季節のパターンを推定して取り除く処理ではありません。

理解を深めるために

「季節のせい」を差し引いて見る

夏に売れる飲料の売上は、7月に6月より増えても驚くことではありません。毎年そうなるからです。 知りたいのは「季節のせい以上に伸びたのか」です。そこで、毎年同じ時期に繰り返す増減を 差し引いた値を作ります。これが季節調整で、差し引いた後の値を季節調整済みの値(季節調整値)と呼びます。

なぜそうなっているのか

  • 月次や四半期のデータには、気候・行事・決算期などで毎年同じ形をくり返す動き(季節変動)が含まれる
  • 元の値のまま前月と比べると、季節変動と本当の変化が混ざって区別できない
  • 季節調整は、過去のデータから「この月は例年どれだけ高い(低い)か」を推定し、その分を取り除く
  • 取り除いた後の値なら、隣り合う月どうしを比べても季節の影響を受けない

国の景気統計などで「季節調整済み前月比」という表現が使われるのはこのためです。

混同しやすいものとの違い

見方 何と何を比べるか 季節の影響
季節調整済みの値の前月比 季節変動を除いた値どうしを隣の月で比べる 取り除いてある
元の値の前月比 元の値どうしを隣の月で比べる そのまま含まれる
前年同月比 今年と前年の同じ月を比べる 同じ月どうしなので打ち消し合う
移動平均 一定区間の平均を区間をずらして比べる ならされるが、季節の型を推定して除くわけではない

試験では「毎年同じ時期にくり返す変動を取り除く」とあれば季節調整、 「区間をずらしながら平均を取る」とあれば移動平均と見分けます。

前の問題へ次の問題へ