正解:エ
各選択肢の解説
ア人的資本管理(HCM)。従業員の経歴やスキルを管理し、育成や配置に生かす。
誤り。HCMは、自社の従業員を価値を生む資本ととらえ、経歴やスキルを管理して育成や配置に生かす仕組みです。 「人の情報を一元管理する」点が共通するため混同しますが、対象は社内の従業員です。 社外の顧客の連絡先を管理するものではありません。
イデータウェアハウス。複数の業務システムのデータを集め、分析用に蓄積する。
誤り。データウェアハウスは、各システムのデータを集めて時系列に蓄積し、分析や意思決定に使う仕組みです。 「ばらばらのデータを一か所に集める」点が似ていますが、目的は分析です。 日々の業務で住所を登録・更新し、各部署が参照する台帳の役割は持ちません。
ウCTI。電話とコンピュータを連携させ、着信時に相手の情報を画面に表示する。
誤り。CTIは、電話がかかってきた相手の情報を画面に呼び出すなど、電話応対を支援する仕組みです。 顧客の情報を表示するため台帳そのものに見えますが、CTIは登録済みの情報を電話と結び付けて見せる側です。 情報を登録し一元管理するのは、別の仕組みの役割です。
エ顧客情報システム。顧客の名称や連絡先、属性などを登録し、一元管理する。
正解。顧客情報システムは「誰がお客様か」を1つの台帳で管理する仕組みです。 住所を1か所で直せば、営業・配送・経理のどの部署も同じ最新の情報を参照できます。
理解を深めるために
お客様の「住所録」を会社に1冊だけ置く
部署ごとに自分用の住所録を持っていると、引越しの連絡を受けた部署だけが書き直し、 ほかの部署は古い住所のまま動きます。H社で請求書が旧住所に届いたのは、この典型です。 顧客の基本的な情報を会社で1つの台帳にまとめ、全員が同じものを見る仕組みが顧客情報システムです。
何を管理し、何がうれしいのか
顧客情報システムには、主に次のような情報を登録します。
- 名称・担当者・住所・電話番号・メールアドレスなどの基本情報
- 業種や規模、個人なら年齢層などの属性
- 取引条件や過去の購入・問合せの履歴
1か所で更新すれば全部署に反映されるので、転記の手間や「部署によって情報が違う」状態がなくなります。 他のシステムもこの台帳を参照して動きます。たとえば販売管理は請求先を、CTIは着信時に表示する相手の情報を、 ここから引いてきます。顧客情報は、多くの業務の土台になるデータです。
なお、この顧客情報を使ってお客様との関係を長く続け、満足度や売上を高めようとする取組みがCRMです。 顧客情報システムは、その土台となる「誰がお客様か」の管理を担います。
混同しやすいものとの違い
| 仕組み | 誰の・何の情報を扱うか |
|---|---|
| 顧客情報システム | 社外の顧客の基本情報を登録し一元管理する |
| 人的資本管理(HCM) | 社内の従業員の経歴やスキル |
| データウェアハウス | 各システムから集めた分析用のデータ |
| CTI | 電話の着信と顧客情報を結び付けて表示 |
試験では、対象が社外の顧客か社内の従業員か、業務で使う台帳か分析用の蓄積かで見分けます。