問題 35★★☆

産業機械メーカーのE社では、営業担当者が見込み客の情報、訪問の記録、商談の進み具合を各自の手帳や表計算ファイルで管理している。 そのため上司はどの商談が受注に近いのか分からず、担当者が異動すると引継ぎも漏れる。 この状況を改善するために導入するものとして最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アMA(マーケティングオートメーション)。見込み客へのメール配信を自動化し、関心の度合いを点数で管理する。

    誤り。MAは、Webサイトの閲覧やメールの開封などから見込み客の関心を測り、配信を自動化して、 有望な客を営業部門に渡すまでを担う仕組みです。見込み客を扱う点が似ていますが、受け持つのは営業担当者が会う「前」の段階です。 訪問や商談の進み具合を記録して共有する役割はSFAにあります。

  2. イ販売管理システム。受注した内容をもとに、出荷・売上計上・請求・入金確認までの処理を管理する。

    誤り。販売管理システムは、受注が決まった後の出荷や請求、入金の確認などを管理する仕組みです。 「営業」「受注」と結び付けて考えがちですが、扱うのは受注後の事務処理です。 受注に至るまでの商談の途中経過や訪問の記録は対象にしません。

  3. ウSFA。見込み客ごとの商談の進み具合や訪問の記録を部門で共有し、営業活動を効率化する。

    正解。SFA(営業支援システム)は、個人の手元に閉じていた訪問記録や商談の段階を営業部門で共有する仕組みです。 上司は受注に近い案件を見て助言でき、担当者が替わってもそれまでの経緯が引き継がれます。

  4. エCRM。店舗や電話など複数の窓口の情報を顧客ごとに束ね、購入後も関係を続ける。

    誤り。CRMは、店舗・電話・Webなどの接点に散らばった情報を顧客単位にまとめ、購入後まで関係を続けるための仕組みです。 顧客を扱う点で重なりますが、E社の課題は窓口ごとの対応の食い違いではありません。 営業担当者一人ひとりの商談管理が個人任せになっていることが問題で、そこを支えるのはSFAです。

理解を深めるために

「営業の手帳」をチームで見られるようにする

ベテランの営業担当者の手帳には、「A社は来月に見積りを出す予定」「B社の部長は価格より納期を気にしている」といった、 受注に欠かせない情報が詰まっています。ところが、それが本人の手元にしかないと、上司は助言のしようがなく、 異動や退職のたびに商談が振出しに戻ります。この営業活動の記録を部門で共有し、受注までを効率よく進めるための仕組みが **SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)**です。

SFAで何を管理するのか

SFAが扱うのは、見込み客を見つけてから受注するまでの営業担当者の日々の活動です。

  • 見込み客の管理:会社名や担当者、どこで接点を持ったか
  • 行動の管理:いつ誰を訪問し、何を話したか
  • 商談(案件)の管理:初回訪問・提案・見積り・交渉など、いまどの段階にあるか

段階ごとに案件が並ぶと、上司は「今月受注できそうな案件はどれか」「止まっている案件はどれか」を一覧で把握できます。 訪問記録が残るので、担当者が替わっても顧客に同じ説明を繰り返させずに済みます。

混同しやすいものとの違い

営業の流れのどの段階を受け持つかで並べると、区別しやすくなります。

仕組み 受け持つ段階
MA 営業に渡す前。見込み客の関心を高め、有望な客を選び出す
SFA 営業活動の最中。訪問や商談の進み具合を共有し、受注につなげる
販売管理システム 受注の後。出荷・請求・入金などの処理
CRM 段階をまたいで顧客ごとに情報を束ね、購入後まで関係を続ける

問題文に「営業担当者」「訪問の記録」「商談の進み具合」が出てきたらSFAの手掛かりです。 複数の窓口や購入後の対応が中心ならCRM、受注後の伝票や請求の話なら販売管理システムと読み分けます。

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