問題 14★★☆

システム監査の過程では、目的の異なる文書がいくつか作られる。 監査報告書の説明として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア本調査で実施した手続や入手した証拠を記録し、結論の根拠として監査人が保存する文書。

    誤り。これは監査調書の説明です。監査報告書の結論を支える根拠になるため混同しがちですが、 監査調書は監査人の手元に残す作業の記録で、依頼者に提出するものではありません。

  2. イ指摘事項への対応策と完了時期を監査対象部門がまとめ、監査人に示す文書。

    誤り。これは改善計画の説明です。監査報告書の指摘を受けて作られるので流れの中では近いですが、 作るのは監査対象部門です。監査人はその計画に沿って改善が進んでいるかを後で確かめます。

  3. ウ監査対象ごとに、実施する監査手続や日程、担当者を具体的に定めた文書。

    誤り。これは個別の監査計画の説明です。監査を始める前に何をどう調べるかを決めるもので、 調べた結果をまとめる監査報告書とは作る時期も目的も逆向きです。

  4. エ監査の目的・範囲・結論と改善提案をまとめ、経営者など監査の依頼者に提出する文書。

    正解。監査報告書は、監査で何を確かめ、どういう結論に至ったかを依頼者に伝える文書です。 指摘事項と、それに対する改善提案もここに記載します。

理解を深めるために

報告書は「依頼者に渡す成果物」

監査を家の点検にたとえると、点検の段取り表、点検中のメモ、お客さんに渡す点検結果の報告書、 報告を受けて家の持ち主が作る修繕の予定表、と文書が4種類あります。 このうち、お客さんに渡す報告書にあたるのが監査報告書です。

監査報告書に書くこと、渡す相手

システム監査基準は、監査人が監査報告書を作成し、報告すべき内容を依頼者などに 理解しやすい方法で報告することを求めています。

  • 書くこと: 監査の目的と範囲、実施した監査の結論、指摘事項と改善提案
  • 渡す相手: 経営者など監査の依頼者。ITガバナンスに関わる監査なら、 取締役会や監査役などガバナンスを担う機関にも報告する

報告書の結論は、監査人の印象ではなく、本調査で集めた監査証拠に基づきます。 その証拠と手続の記録が監査調書です。

混同しやすいものとの違い

文書 作る人 役割
監査報告書 監査人 結論と改善提案を依頼者に伝える
監査調書 監査人 手続と証拠を記録し、結論の根拠として保存する
監査計画 監査人 何をいつ誰がどう調べるかを事前に定める
改善計画 監査対象部門 指摘への対応策と完了時期をまとめる

見分けるときは「誰が作るか」と「外に出すか手元に残すか」の2点を見てください。 監査人が作って依頼者に出すのは、監査報告書だけです。

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