正解:イ
各選択肢の解説
ア対応が遅れているので、監査人が自ら手順を見直し、バックアップの運用を代行する。
誤り。改善を実施するのは監査対象部門です。監査人が運用を代行すると、 次の監査で自分が行った作業を自分で評価することになり、独立性と客観性が保てません。
イ監査対象部門の改善計画に沿って対応が進んでいるかを確かめ、状況を経営者などに報告する。
正解。監査人は改善の実施そのものには責任を負いませんが、改善が適切かつ適時に 行われているかを確かめ、関係者に報告します。これがフォローアップです。
ウ改善の実施は監査対象部門の責任なので、監査人は対応状況を確かめずに任せる。
誤り。改善を実施する責任が監査対象部門にある、という前半は正しい理解です。 しかし確かめずに任せると、指摘が放置されても誰も気づきません。 監査人には、改善の状況を確かめる役割が残ります。
エ対応が遅れているので、監査人の判断で本番システムの利用停止を命じる。
誤り。監査人は業務を指揮する権限を持っていません。 利用を止めるかどうかは経営者などが判断することで、監査人は状況を報告し、 判断の材料を提供する立場です。
理解を深めるために
監査人は「直す人」ではなく「確かめる人」
健康診断で再検査を勧められたとき、病院に行くのは本人です。 医師は、次の受診で数値が改善したかを確かめます。 システム監査のフォローアップも同じ役割分担です。
改善を実施するのは監査対象部門で、監査人はその進み具合を確かめる。 報告書を出して終わりにせず、指摘が生かされたかを見届けるのが改善提案のフォローアップです。
なぜ監査人は直さないのか
システム監査基準は、監査人が改善提案(や監査対象部門が作った改善計画)について、 改善が適切かつ適時に実施されているかをフォローアップすることを求めています。 同時に、監査人は改善の実施そのものに責任を負わないとしています。
- 独立性の確保: 監査人が運用を代行すると、次の監査で自分の作業を自分で評価することになる
- 権限の範囲: 監査人は業務を指揮する立場ではない。結果を報告し、判断は経営者などが行う
- 確かめる役割: 改善の責任が対象部門にあっても、状況を確かめないのはフォローアップの放棄になる
混同しやすいものとの違い
| 行動 | 誰の役割か |
|---|---|
| 改善の状況を確かめ、報告する | 監査人(フォローアップ) |
| 手順を見直し、運用を改める | 監査対象部門(改善の実施) |
| システムを止めるかを決める | 経営者など(業務の意思決定) |
| 改善計画を作る | 監査対象部門 |
試験では、監査人が「手伝う」「命じる」「放っておく」選択肢が並びます。 確かめて報告する、という線を越えていないかで判断してください。