正解:ア
各選択肢の解説
ア監査対象部門が求められた記録を提供し、監査人がそれを評価して結論を導く。
正解。業務の記録を持っているのは監査対象部門なので、証拠は対象部門が提供します。 それをどう評価し、どういう結論を出すかは、独立した立場の監査人が判断します。
イ監査対象部門が記録を評価して結論を出し、監査人はその結論をそのまま報告する。
誤り。これは対象部門による自己評価で、監査にはなりません。 自分の業務を自分で評価した結論は客観性に欠けるため、監査人が証拠を自ら評価し直す必要があります。
ウ監査対象部門が提供する記録を自ら選び、監査人はその記録の範囲だけで結論を導く。
誤り。どの記録が必要かを決めるのは監査人です。対象部門が選んだ記録だけでは、 都合の悪い記録が抜けていても分からず、十分な監査証拠とはいえません。
エ監査人が監査対象部門に代わって記録を作成し、その記録を評価して結論を導く。
誤り。監査人が対象業務の記録を作ると、自分の作業を自分で評価することになり、 独立性が保てません。そもそも監査人が作った記録は、業務の実態を示す証拠になりません。
理解を深めるために
出すのは対象部門、見るのは監査人
試験の答案にたとえると、答案を書いて出すのは受験者、採点するのは試験官です。 受験者が自分で採点したり、見せる答案を選んだりしたら、試験の意味がなくなります。
システム監査でも、業務の記録を持っている監査対象部門が監査証拠を提供し、 監査対象から独立した監査人がそれを評価して結論を出します。
なぜこの分担なのか
システム監査基準は、監査人が十分かつ適切な監査証拠を入手し、評価したうえで 結論を導くことを求めています。この分担が崩れると、結論の信頼性が失われます。
- 評価を対象部門に任せると、自己評価になり客観性がない
- 提供する記録を対象部門が選ぶと、都合の悪い記録が抜けても気づけない
- 監査人が記録を作ると、自分の作業を自分で評価することになる
監査対象部門には、求められた記録を加工せずに出す協力が求められます。 監査人には、何が必要かを自分で判断し、出てきた証拠を自分で評価する責任があります。
混同しやすいものとの違い
| 分担 | 何が問題か |
|---|---|
| 対象部門が提供し、監査人が評価 | 適切な分担 |
| 対象部門が評価し、監査人が転記 | 自己評価で、客観性がない |
| 対象部門が記録を選び、監査人はその範囲で評価 | 証拠が十分といえない |
| 監査人が記録を作り、自分で評価 | 独立性を損ない、実態の証拠にならない |
「誰が出すか」「誰が選ぶか」「誰が評価するか」の3点を分けて読むと、選択肢を見分けられます。